降霊陣

これから僕が書くことは、むかし出版社に勤めていた親父がある人に書いてもらった体験談ですが、ある事情でお蔵入りになっていたものです。 できることなら霊だとかそういうものには二度と触れずに、このまま後生を過ごそうと思っていました。 ですが、ここに記すことによって、あの頃の私のような向こう見ずな人々を自粛させる事ができるのなら、あの時の償いができるのではないか、またこの忌々しい傷跡が消えるのではないか、と思った次第であります。 1979年8月14日の事です。 私は21歳で、若さと好奇心にあふれる... 続きを読む

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ケンケン

田舎住まいなので、通学するときにはいつも田んぼの脇道を通っていた。 その日も家に帰る為、いつものように田んぼの脇道を、カエルの鳴声を聞きながら歩いていた。 すると田んぼの中に、ピンク色の割烹着のような服を着た人が立っているのに気が付く。 「ああ、田植えか何かしているんだな」 そう思って良く見てみると、何か動きがおかしい。 片足で腰をクネクネさせながら、白いビニールの紐のようなものを、新体操をしているかのように、体の回りでグルグルさせている。 何と言うか、フラフープをしているような、... 続きを読む

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通学路の釣り人

ある地方の村で起こった話。 その村、山中に這うように細長く民家が点在する、いわゆる寒村だ。 人口は少ない。 当然、子供も少ない。 村に住む少数の小学生たちは、山道を4Kmも下った小学校まで毎日歩いて登校していた。 小学校までの道のりは、彼等にとってさほど苦痛ではなかった。 年上の子供が年下の子の面倒をよく見ながら、他愛のない会話に盛り上がり、コロコロ笑いながら日々の登下校を繰り返す。 自動車のすれ違うのも難しいほど細い道を、彼等は毎日歩いていた。 ある冬の初め、子供たちはひとりの男... 続きを読む

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