仕事場行くのに便利な山道があって、そこをバイクで通っていた時の話だ。
山道の途中に小さな集落があって、しばらく行くとコンモリとした丘上になった山があった。
何気に山道からその丘を見上げてみると、ウッソウとした木々の間から何か建物が見えた。
丘の頂上付近にボロボロの民家らしきものがありそなので、一度どうなってるか見にいった。
その山をグルリと360度回ってみたが、そこへ繋がる道、獣道すら無かった。
俺は竹が生い茂る山の斜面を登っていった。
民家らしきものには生活感があった。
新聞がひもで縛って置いてあって、風雨にさらされた感じ無く新しく感じた。
誰かこんなところに住んでるのかと思って、俺は引き返した。
家に帰って住宅地図で確認したのだが、俺の持ってる地図には記載がなかった。
どうして道が無いのだろうと気になっていたので、後日またその場所に行ってみた。
絶対にあの家に行く道、というか、通る場所があるはずだと思い、バイクを止めて丘の周辺をグルリと歩きつつ、斜面を駆け上がってみた。
しばらく斜面を横に移動していると、木々の中に開けた小さな場所(3畳くらい)があった。
近づいて行くと、祠ってのかな、道祖神かお地蔵様のような小さな石仏があって、花が飾ってあるのだ。
こんな場所になぜ? と思うとよけいに知りたくなる。
開けた場所の奥に何かある……近づいてみた。
一枚50センチ角くらいの石が鱗のように組み合わせられて、まるで古墳の跡みたいな横穴があった。
地図にもこの辺りに古墳なんて当時聞いたことがなかったのでかなり不気味だった。
その古墳みたいな場所からはまたウッソウとした木々があって急斜面。
そこをまた駆け上がってみた。
するとあの民家らしい建物が近くに見えた。
人の気配がしたので怖くなって必死に引き返したのだが、途中で目に入ったのが古墳らしき場所の横にある木に青い新聞受があった。
これは確実に誰か住んでいると確信したので、逆に恐怖がよぎって帰宅した。
それからあの場所には行っていないが気になっていたので、後日、地元の年配の人にそれとなく聞いてみた。
どうやら、地図には記載されていないのだが、地元ではあの辺りを「小金(こがね)」と読んでいるらしいのだ。
元々は山道途中で目に入る集落から別れて誰かが住みついたのでは? との見解だった。
古墳、お地蔵様、小金(←読み替えると「黄金」)というキーワードから、もしかしたら何かあの丘には埋まってるのか?と疑いをぬぐい切れない。
それから山道を走る新聞配達のバイクと何回かすれ違っている。
あの新聞配達の人に聞けばあの民家の得体がわかっただろうし、集落の人も何か知ってるだろうと思う。
話してくれそうもないけどな。
もう10年近くも前の話だ。
31 :本当にあった怖い名無し:2005/06/26(日) 03:32:58 ID:SfDMR3Jk0
ただのポツンと一軒家にビビり過ぎじゃね?