不幸の順番

十数年前の話。 私が6歳、兄が8歳の時だろうか。 私たちは、お盆休みを利用して両親と4人で父の実家に遊びに行った。 その日はとても晴れていて、気持ちが良い日だった。 夜になっても雲一つ無く、天の川が綺麗に見えた。最高の景色。 花火をして遊んだ後、イトコの兄ちゃんと姉ちゃん、兄と私の四人で、夜の散歩をすることになった。 こんな夜に外に出ることはあまり無かったため探検気分で意気揚々だ。 イトコの兄ちゃんと姉ちゃんはもう大きかったので、両親もにこやかに送り出してくれた。 父の実家はとても田舎で、小高い丘の中腹に... 続きを読む

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アケミちゃん

去年の5月に起きた話を。 大学に入学し友達も何人かできたある日の事。 仲良くなった友人Aから、同じく仲良くなったBとCも遊びにきているので今からうちに来ないかと電話があった。 時間はもう夜の9時過ぎくらい、しかもAのアパートは俺の住んでいるところから大学を挟んで正反対の方向にあり、電車を乗り継いでかなり先にある。 時間もかかるしちょっと面倒なのだが、特にすることもなく、そのうえ土曜の夜で暇だった俺はAのアパートへ向かう事にした。 乗り継ぎ駅のホームで待っているときふと気付いたのだが、ホームで待っている人が... 続きを読む

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母を助けたもの

母が幼い頃に体験した、ちょっと不思議な話。 母(70代)は東北の田舎の集落の出身で母が幼い頃はまだ各家に電話がなく、母実家はそこそこ裕福だったため村で唯一の電話がある家だった。 だから誰某さんに電話があると、父親に言われて誰某さんを呼びにいくのが子供たちの役目だった。 ある日、夜遅くに電話があり少し離れたところに住む医師を呼びにいくよう母が言い付かった。 当時はまだ街灯もほとんど無く、母は提灯片手に医師を呼びに行った。 普段知っている道のはずなのに、気付いたら墓場に迷い込んでいた。 当時の墓場は今のように... 続きを読む

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タメ口の後輩

ひと月くらい前、俺が夜勤の仕事をしてたときの事。 二人一組で仕事するんだが、その時の相棒は入って研修を終えたばかりの新人。 俺はそいつとは就任の時に顔合わせて挨拶した程度。 愛想がいい訳でもなく特に個人的な付き合いがある訳じゃなかった。 その日たまたまそいつと組むことになったんだが当然話題なんかない。 まあ俺も沈黙が苦手とかじゃなかったので特に話もせず待機してた。 そしたら、そいつがおもむろに 「〇〇さん、あんた弟いるよね?」 って聞いてきたんだ。しかもタメ口。 こいつにプライベートな話なんてしたことない... 続きを読む

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山裾の墓地

小学2年ぐらいだった頃なんだが、幽霊とか妖怪が怖くて怖くて仕方ない子だったんだ。 ホラー映画なんか見たら1週間ぐらい一人でトイレに行けなくなるレベルwwww そんな俺を見かねて父親が、お墓に肝試しに連れて行ったんだ。 ラジオが付属されている懐中電灯一つ持って、山裾にある墓地まで歩いて行った。 墓場入り口に着いたら、父親がいきなり墓場に向かって急に走って行った。 古い墓場で奥の方には昔ご遺体を焼却していた場所があり、その横には休憩所? みたいなのがあってベンチがある。 そこに父親が居るだろうと思い、一人でそ... 続きを読む

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