中学3年の時、同じクラスになったNと言う女の子と仲良くなりました。 おっとりして優しくて、女の子らしい良い子でした。 普段は物腰柔らかく笑顔を絶やさないNでしたが、何故か水道を前にすると怯えた表情になり、口数も少なくなるのです。 水道から出る水と水道その物が苦手であって、飲み水やプールなどは大丈夫だったようです。 水道嫌いの理由を聞いても、何も教えてくれませんでした。 夏休み。 私とNは、当時所属していた茶道部の練習をしに、学校に来ていました。 練習と言っても、お手前をやったり、簡単なお茶会を開催するだけ... 続きを読む
おじろく、おばさ
長野県にかつて神原村と呼ばれた村(現、天龍村)があった。 この村には「おじろく、おばさ」と呼ばれる風習が存在した。 これは結婚に関する風習で、長男が結婚して家を継ぎ、次男以下は養子になって他家に行くか、女性は嫁いでいくかしないかぎり結婚を許されないというもの。 結婚をしていない次男以下の男を「おじろく」、女性を「おばさ」と呼び、戸籍上は【厄介】と書かれ村人との交流も祭りへの参加権もない。当然、交流がない以上、おじろくとおばさの交流もないので多くは結婚もなく童貞、処女で一生を終えていった。 このような風習は... 続きを読む
山での遭遇したもの
私の父親は山好きです。 当然、山関連の友人も多く、私も山へ行く度にそうした方々と話をしました。 そして、その友人の中にAさんという方が居ます。 私が彼と最後に話をしたのは高校生の頃です。 高校卒業後、進学の関係で地元を離れてからは一度も会っていない上、結構な年齢に達していた筈なので今は亡くなってしまっているかも知れません。 Aさんは県内でも山深い山村の出身で、実に色々な話を知っていました。 私にも沢山の話を教えてくれましたが、その中でも印象深い話をさせて頂こうと思います。 Aさんが少年の頃(戦前)、罠を仕... 続きを読む
レンゲ畑のお姉さん
父方の実家での昔の話。 俺がまだ5歳の時のことで、その頃は何でそういうことが起きたかわからなかったが今考えるとその訳が分かるような気がする話。 父方の郷里は和歌山県。 内陸の方で海は無かったが周囲は田んぼが多く春になるとレンゲの花が咲き乱れる、素晴らしい所だった。 父の夏休みを利用して、父も久方ぶりに帰郷したのだと思う。 息子に故郷を見せてあげたかったんだろう。 折しも季節は春でレンゲ草が田んぼ一面に広がっていた。 写真もあるが、ここでの記憶はいまでもありありと心に再現出来るぐらい、幼心にとって天国のよう... 続きを読む
借り子
小1の11月~小2の五月上旬までに体験した話を投下させて下さい。 上記はめちゃくちゃ中途半端な時期ですが、一時的に転校しました。 発端は私の心霊写真。 小学校入学の記念に、写真館で一人おすましして撮影。 その写真が心霊写真として出来上がってしまった。 (当時は特に酷くて八~九割が心霊写真で、私の写真だけ別のアルバムに入れて仏間の奥に厳重保管されるレベル) 写真は十人?(匹?)の半透明な何かに囲まれ、私も半透明だった。 遠縁の本家がその噂を聞きつけて、是非その写真を送って欲しいと土下座訪問して来た。 両親は... 続きを読む
最近のコメント