長くなるがどうか聞いて欲しい。 俺がむかし住んでいた場所はド田舎で、町という名前は付いていたが山間の村落みたいなところだった。 家の裏手の方に山道があり、そこに「かなめさま」のお堂があった。 もともとは道祖神だったらしいが隣町への道路が整備されてから山道自体が使われなくなり通る人も絶えて寂れてしまった。 かわりにというか、いつ頃からか「かなめさま」に身をしのんで人に言えないような悩みを打ち明け、願をかける慣習ができた。 そんな成り立ちも今にして思うだけで、俺がガキの頃はとにかく「かなめさま」はタブーで、昼... 続きを読む
道祖神
道祖神
実家は長野県なんだが、結構な田舎。 元々から住んでる本家筋の集落の周りに、その分家とかが家を建てて段々集落が広がっていった土地、って言えばイメージつくかな。 本家筋の集落は建物も古くてなかなか風情があるんだが、しばらく行くと建売住宅ばかりになって、結構そのあたりの落差が激しい。 本家の辺りは市会議員やらそれなりの農地を持ってるのやら、まあ「田舎の権力のありそうな人」が多かったね。 とはいえ自分の親父は三男だったので、本家にはちょくちょく遊びにいく程度だった。 俺自身も三男で「三男の三男」なんて、孫がやたら... 続きを読む
かんひも
僕の母の実家は長野の山奥、信州新町ってとこから奥に入ってったとこなんですけど。 僕がまだ小学校3、4年だったかな? その夏休みに、母の実家へ遊びに行ったんですよ。 そこは山と田んぼと畑しかなく、民家も数軒。 交通も、村営のバスが朝と夕方の2回しか通らないようなとこです。 そんな何もないとこ例年だったら行かないんですが、その年に限って仲のいい友達が家族旅行でいなくて両親について行きました。 行ってはみたものの……案の定、何もありません。 デパートやお店に連れて行ってとねだっても、一番近いスーパー(しょぼい…... 続きを読む
さえがみさん
俺は子どもの頃は超がつくド田舎に住んでいた。山々に囲まれた閑静な農村地帯だった。 その村では一年のうちである月の満月の日の前後一週間は絶対に山に入ってはいけないという決まりがあった。村の子どもたちにはその期間は山の神様が降りてこられる日だからと聞かされていた。その期間は山の入り口のところにある道祖神様(俺らは「さえがみさん」って呼んでた)の祠の前で山から村に入る道に注連縄を張って道祖神様を御祭りしていた。このお祭りの間は子どもだけでなく大人たちも決して山に踏み入ることは許されなかった。 村の... 続きを読む
お盆の風習
ここに書いていいか迷ったんだが他に当ても無いから書くことにする。まとめておいたから暇だったら読んで知ってる事があったら教えてくれ。 まずは事の始まりから、確か8月の中ごろだったかな。祖父から「精霊馬の処理をするからお前も来い、こういった事をお前は覚えなきゃならん」と言われ着いて行った。場所は家のすぐ隣にある道祖神があるとこ。そこには用水路が流れてて祖父は精霊馬と飾ってあった折鶴らしきものをその用水路に流した。お前も拝めと言われたので手を合わせた。その後流すときに立っていた場所にお線香を二本置いてそ... 続きを読む
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