神隠し

龍神岩

自分の家は山のてっぺんなんだけど、そこから隣の山の頂上に、大岩がたくさん置いてあるのが見えるんだわ。 (実際は誰が置いたわけでもないのだろうが、この表現が一番しっくりくる) で、近所の爺さんに 「あの岩は何?」 って聞いたら、 「岩の中に老人が二人住んでる」 みたいな物語を聞いたんだけど、詳しくは覚えてない。 で、どーしても会いに行ってみたくなって、行ったんだわ。 てっぺん目指して山道をひたすら登る。でもどうしてもたどり着けない。 てっぺんは平原みたいになってるはずなのだが、いつまでたっても森の中。 次々... 続きを読む

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沼の女の子

俺の親父は教師で、俺は小学校二年まで教員住宅に住んでたんだ。 俺のウチの裏は林になっていて、そこに『そこなし沼』って俺らの間で呼ばれてた沼があったんだ。 ほんとはちょっとした水溜りのようなもんだったんだけど、その周りではクワガタがたくさん捕れるんで、よく友達と遊びに行ってた。 ある日の事、いつものように友達とクワガタ捕りに行くと、その沼の奥になにやら白い人影が見える。 白いワンピース着た中学生くらいの女の子。 普段人気のまったくない所だし、道なき道を泥まみれになりながら進まないと来れないような場所だってん... 続きを読む

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神隠し?

これは僕が子供の頃に死んだじいちゃんから聞いた話。 僕が住んでいる地域はある地方の県で、さらに市街からも離れた田舎の港町です。 じいちゃんの家があるのは、その港町からさらに船で10分程の、さらに田舎の島です。 そこにばあちゃんと2人で住んでいました。 子供の頃、じいちゃんが健在だった頃は、よく兄と2人で遊びに行っていました。 小学生の低学年の頃。 その時も兄と2人でじいちゃんの家に泊まりにきていました。 ばあちゃんの作った晩御飯を食べ、四人でまったりしている時に兄が言いました。 「じいちゃん何か面白い話し... 続きを読む

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田所君

初めて投下します。小学生のころ、同級生だった「田所君」(仮名)の話。長文になります。 田所君とは、小学5年から6年の夏休み明けまで同じクラスだった。田所君は、かなり勉強の出来るやつだった。学校の図書館を「根城」(当時は意味が分からなかった)と呼び、本の読みすぎですでにメガネをかけていた。推理小説が好きで、図書館にある面白い本をいろいろ教えてもらったのを覚えている。 「根暗」「ガリ勉」「メガネ」の三冠王だった田所君。これだけなら真っ先にイジメの的になるところだが、彼には他の追随を許さない類まれ... 続きを読む

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