自分からしたら洒落にならないくらい怖い事があった。 3年くらい前だったか、実家が老朽化したから解体した時に、業者から 「なんか、床下から出てきたんですが……」 と、筒状の箱を渡された。 その晩、家族で、なんだろうね?って箱を調べる事になったんだが、奇怪という言葉がお似合いな箱で、円の直径は13センチ、長さは22センチ、桐で作られていてメガネケースの様だった。 箱には和紙が貼られていて「シジマノカミ」と書かれていた。 しじま? なんだろう……というかこの箱どうやって開けるんだ? その箱がまったく不可解なのは... 続きを読む
怪物
ウサギ穴
小学校の頃、僕の通っていた学校の裏には小さな山があって、みんなからは普通に裏山と呼ばれていた。 小学校は三階建てだったのだけれど、裏山はその小学校の二倍程度の高さしか無かった。 学校側から裏山を上って反対側に降りると、細い県道に出る。 学校の規則で、裏山には休み時間は上っちゃいけなかった。 それでも僕は、友達と一緒によく裏山に上った。大体昼休みに。 まばらに木が生えてるだけの何も無い山だったけど、子どもにとっては十分な遊び場だった。 それで良く先生に叱られた。 「ごめんなさい。もう裏山には行きません」って... 続きを読む
せこの子
ひいじいさんが体験したことです。 昭和初期の話。 ある夜、じいさんが村の寄り合いが終わり、家へ帰宅していた。 山道を下り帰宅するのだが、途中小さな寺がある。 かねてよりその寺の周辺には、『物の怪』が出るとの噂があったのだが、じいさんは漁師で腕力に自信があったコトもあり、平気で暗闇の中ランプ片手に歩いてたらしい。 やがて寺の石垣が見えてきた頃、ふと見ると、目の前を小さな子供がチョコチョコと歩いている。 じいさんは 「おい、お前は何処の子かァ?」 と呼びかけてみたが、その子は目の前にいない。 ハっと見やると、... 続きを読む
羊が来た
小学生の頃の冬の話。 母親は台所で料理してて、俺はテレビを見てた。 インターホンが鳴って、母親が出た。 どうやら父親がいつもより早く帰ってきたらしい。 手が離せないからと言われ、俺は玄関の鍵を開けに向かった。 廊下の奥からドアを叩く音と 「寒いー早く開けてくれー」 という父親の声が聞こえた。 小走りで廊下を駆けて、玄関を開けた。 父親の顔をした羊が俺の目の前にいた。 ドアを閉め一目散に逃げたが、母親は父親が帰ってきたと思っているので、なかなかリビングに来ない父を迎えに玄関へ行った。 鍵が開いているのに開け... 続きを読む
山から来る
実家の山のお話です。 うちの実家はものすごい山の奥で、家から出て20Mも歩いたら山の入り口なんです。 小さい頃から危ないから山には入るなって言われてたけど、気になる。やっぱり気になる。 それも、笹がアーチみたいに入り口形作ってるし、もうそれ見るだけで冒険の始まり。 でもめっちゃヘタレなんで、爺ちゃんとか婆ちゃんが一緒じゃないと山には入らないようにしてました。 マムシとかも出てたしね。 これは山の中であったことじゃないんだけど、山から下りてきただろう何かの話。 小学校五年生ぐらいかなぁ。多分夏休み中。 夕ご... 続きを読む
最近のコメント