システムエンジニアをやっていた知人。 デスマーチ状態で、残業4-5時間はザラ、睡眠時間は平均2-4時間。 30過ぎて国立受験生みたいな生活に、ついに神経性胃炎と過労で倒れ、そのまま内科で軽度の鬱病と診断された。 会社も流石に悪いと思ったのか、5日間の休暇と、賞与を結構たっぷりくれたらしいが、彼は本格的に鬱病になりかかっていたらしい。 やったことがある人はご存じの通り、鬱は気晴らしや運動などで直ってしまう場合もあるが、鬱病はれっきとした神経伝達異常で、幸せを感じる回路が接続不良、不安や悲しみ回路が増大という... 続きを読む
怪物
雪だるま
まだ兄弟全員が小学生だった、雪の日の出来事。 その日は、私の生まれた地方では2年に1回あるかないかの大雪。(大雪って言っても30cm位) 両親も雪のため配達が出来ないので仕事が休み。 雪だというのに珍しく兄弟3人(姉、私、妹)が家に居ました。 午後の2時位だったと思う。 「犬の散歩に行くぞ」 と、父が私たちに声をかけてくれた。 3人が3人とも行くと即答。 興奮気味の兄弟3人は、喜んで薄暗い雪の世界に出かけた。 いつもの散歩コースを進んでいく4人と2匹。 いつもと違う景色や感覚に私たち兄弟と2匹は興奮し、誰... 続きを読む
ゴギョウ様
俺がまだ消防だったころ、母方のじっちゃんの田舎で体験した洒落にならん話。 口止めされていたけど、もう爺ちゃんが他界して十年くらいになるから話す。 関わりたくない人は、読まない方がいい。 話していたら大体バレちゃうから伏せても仕方がないんだけど、じっちゃんは東北地方の、ある町の生まれだ。 このじっちゃんは変わった人で、じっちゃんの癖に好き嫌いが激しい。 特に驚いたのは、ご飯が好きなのにお粥は大嫌いだ。 宗教も大嫌い。 父が新興宗教にハマっていたこともあって宗教嫌いになっていた俺は、身勝手に振る舞うじっちゃん... 続きを読む
朝顔の話
俺が小学4年生くらいまでのころは、夏休みになると朝顔を育てるのが慣例だった。 といっても花の生態を知るとかいう高尚な理由ではなく、毎年親父が朝顔の種を買ってきていたので、観察日記をつけるのが自由研究には一番手軽な方法だったからだ。 けれども俺は4年生のときにその観察日記をやめてしまうんだが、その時の話。 うちにあった庭は、母屋で凹型に囲われた中庭のような感じだった。 まあ日当たりは悪くなかったんだけど、結構な本数の樹木と古い家特有のどことなく陰鬱な雰囲気が嫌いで、俺はあまり一人で庭に出たりはしなかった。 ... 続きを読む
黒いくらげ
あんまりこわくないかもだけど……。 この間の盆に帰省したんだが、うちの実家はいわゆる本家筋なんで分家と言うか父親の兄弟が挨拶にやってくる。 本家筋って言っても特に金持ちじゃないし母親曰く『親戚をもてなす分うちが割り食ってる』とか言うそんなレベル。 でも中途半端に田舎の農家(父の代で離農)だから家の敷地は広いし、母屋のほかに養蚕用の離れや蔵はある。 子供の頃なんかは養蚕用の離れ(一回が農機具置き場で二回が養蚕部屋)で秘密基地ごっこなんかして従兄弟達と遊んでたんだけど、そこで遊ぶ時だけ祖母ちゃんの作った法律が... 続きを読む
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