神社

山裾の神社

母方の祖母が信心深い人だった。幼い頃、群馬の母方の家に行くと、よく子供だった自分の手を引いて山裾の神社に連れて行った。群馬は視界に山が入らないところが無い。 母方の家は、すぐ裏がもう山だ。近隣の墓はほとんど山中にあって、蜘蛛の巣みたいに細かな路が入り組んでいる。金比羅様と祖母が呼んでいた神社というのは、丸太の鳥居、破れた障子、抜けた濡縁。管理されているとはとても言えぬ有様。でも祖母は、何度となく私をそこに連れて行った。 細い山路を私は付いて行った。祖母は神社をすごく有難がっていた。7つか8つ... 続きを読む

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ヒモロギアラシ

里帰りして昔話に花咲かしてたら、面白い出来事を思い出したので投稿してみる。 僕が小学5年生の頃、九州の方からKというやつが転校してきた。当初は妙な方言を使っているという理由で苛められていたが、小学生だけあってすぐに打ち解けた。僕とYとDとKは特に仲良くなって、毎日のように一緒に遊んでいた。 そんなある日、近所の寂れた神社で暇を持て余してたら、Kが「ヒモロギアラシをしないか」と提案してきた。 ヒモロギアラシと言われても、当時小学生だった僕らはヒモロギという言葉の意味すら知らなかったのだか... 続きを読む

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留学生と神社

今年のゴールデンウィークの、不思議な体験を書かせてもらいます。 わたしの家にはスーザン(仮名)という、サンディエゴからの留学生が滞在していました。母が婚前に英語の教師をした影響か、海外の留学生を受け入れるのが好きで、わたしが高校を卒業したあたりから、隔年で自宅に留学生をホームステイさせていました。 スーザンは、片言ながらも日本語でコミュニケーションをとれました。わたしが居る前では、必ず日本語を話します。単語が出てこなくて、意思の疎通が難しい話題になったときに、わたしが辞書片手に英語を使うと、... 続きを読む

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とぷん

2年くらい前の、個人的には洒落にならなかった話。 大学生になって初めての夏が近づいてきた、金曜日頃のこと。人生の中で最もモラトリアムを謳歌する大学生といえど障害はある。そう前期試験だ。これを無事にやり過ごし単位を獲得しないことには、せっかくの夏も存分に楽しめない。 大学で出来たまだ少し距離感のある友人達(AとBとする)と、翌週から始まるテストに備えて、俺の部屋で試験勉強に励んでいてた時、Aが「試験勉強ウゼー。飽きた。ちょっとここらで気分転換しねぇ?」と言い出した。「んじゃ、どうする? ゲーム... 続きを読む

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イッポン……ツナガッタ

近所に家族ぐるみで懇意にしてもらってる、神職の一家がある。その一家は、ある神社の神職一家の分家にあたり、本家とは別の神社を代々受け継いでいる。 ウチも住んでいる辺りでは、かなりの歴史がある旧家の分家で、そこの神職一家が、非常に気さくで人当たりの良い人達ばかりということもあって、その神職一家と非常に仲良くさせてもらってる。最近そこの次男Aさん(と言っても30半ばのオサーン)に聞いた話。なお、よくわかんなかった言葉とかは、後でググったりして補足してる。 最近新車を買って、そこの神社で交通安全祈願... 続きを読む

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