神社

べっ甲飴

私がまだ小さかった時に体験した実話。 ある夏に近所の神社の縁日でたくさんの屋台が出ており、そこで『べっ甲飴』の屋台が出ていました。飴は小さくてまるい物という認識しかなかった私は、色付きガラスの様なべっ甲飴とむせ返る様な飴の甘い匂いにわくわくしました。 一緒にいた両親は『綺麗ね』とは言うが、『虫歯になってしまう』『こんな大きいのは食べ切れない』などの理由で買ってはくれず、べっ甲飴にすっかり魅了された私は次の日から毎日屋台を一人で見に行っていた。 数日続いた縁日の最終日になり、その頃には顔... 続きを読む

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裏山の神社

これからするお話は今から20年以上前、僕が中学生の時の話です。当時僕は悪い先輩達と付き合いがあり、暴走やタバコ、シンナー等不良っぽい事をして意気がる田舎ヤンキーでした。その日は学校をさぼり、町外れにある無人の神社に二人の先輩(アキさん、コウさん)とタムロってました。 バイク談義も一段落してそろそろたまり場に帰る雰囲気になっていたのですが、アキさんが「この神社の裏山に遺跡みたいなのがあるらしいから行ってみよう」と言い出したのです。見ると確かに裏山の奥へ続く石段がありました。 僕は基本的に先輩に... 続きを読む

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おきつね様

私には小さい頃から多少の霊感があった。特におきつね様という狐の霊は、幼稚園に入る前から見えていた。(おきつね様というのは、度々私の前に現れる真っ黒な狐の影で、迷子になったときに家の近くの神社まで案内してくれたり、危険な場所から遠ざけてくれたりする不思議な存在。喧嘩した後泣いているときには尻尾だけ出してみたり、時には人の手の形になって遊んでくれたりもした。) 小学生のあるときから、人の身体の周りに、淡くぼんやりと色のついたもやもやが見えるようになった。部分によって色が違ったり、もやもやの広さ(幅?)... 続きを読む

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田所君

初めて投下します。小学生のころ、同級生だった「田所君」(仮名)の話。長文になります。 田所君とは、小学5年から6年の夏休み明けまで同じクラスだった。田所君は、かなり勉強の出来るやつだった。学校の図書館を「根城」(当時は意味が分からなかった)と呼び、本の読みすぎですでにメガネをかけていた。推理小説が好きで、図書館にある面白い本をいろいろ教えてもらったのを覚えている。 「根暗」「ガリ勉」「メガネ」の三冠王だった田所君。これだけなら真っ先にイジメの的になるところだが、彼には他の追随を許さない類まれ... 続きを読む

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海外沿いの神社

あの大震災でメチャクチャになってしまった海岸沿いの、とある神社の話です。オレは東北某県に住むフリーターで、住んでるのは内陸だけど時々ドライブで海岸線も走ってた。仕事でムシャクシャしたり家族とうまくいかないと車で海を見に行く。そんな感じで、A町の海を見に行くのが好きだった。 東日本大震災で被害が大きかったA町(本当になんと言っていいのか分からないくらい大変な思いをしてると思う。ご冥福と、復興を願ってます)だけど、オレは去年の秋を最後に海を見に行かなくなった。理由は、まあ寒くて海とか見るより家でネット... 続きを読む

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