異界

通行止めの標識

小2の頃、仲の良かったタケシと一緒に虫取りに学校の裏山へ行った。 その山は俺達の遊び場で隅から隅まで知っている。まぁ山ってより中規模の雑木林みたいな感じ。 突然タケシが「赤い蝶がいた!」って言って走り出した。俺もすぐにその後を追う。 夢中で走って、息が切れた頃にタケシが立ち止まった。「タケちゃん。どうした? 逃げられちゃった?」「ああ、逃げられた。すごいデカイ蝶だったぜ!」その後も赤い蝶を探して歩いたが、とうとう見つからなかった。 日も暮れ始め、そろそろ帰ろうかということになり、... 続きを読む

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開かずの神社

誰もいなさそうなので投下します。現在進行形の話のためオチはないです。 職場の近くに開かずの神社があります。お寺の敷地内にある神社で、神社とお寺の入り口は別々になっていて、お寺の門と神社の鳥居が横に並んでいる形なんですが、お寺は普通に開いてるのにも関わらず、神社の方は鳥居の下に門が取り付けられてていつも閉まっています。家とは反対方向だからしょっちゅうは通らないんだけど、たまに前を通る時には妙に目に入ってくるのです。バスに乗って下向いてスマホいじってても、何故かはっとして顔を上げると丁度神社を通り過ぎ... 続きを読む

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天咲24年

これから話す内容は、ムラさん(仮名)から聞いた話。 その日、僕はムラさんの部屋で男二人飲んでいた。 ムラさんの仕事はフリーの社会派ライター。 当時、部落や公園を回っては、浮浪者からなぜ今の生活に落ち着いたのかなど過去を聞いて回り、いずれ本にまとめて発表する予定だった。 「でもそんな簡単に浮浪者が話してくれるんスか?」 と僕が聞くと 「ウラワザがあるんだよ」 とニッと笑って、部屋にある一升瓶にアゴをやった。 手土産として酒と簡単なツマミでも持っていくと、連中の口も軽くなるという寸法らしい... 続きを読む

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行ってはいけない祭

言葉にするとたいしたことないが、体験するとじわじわとくる話をひとつ。 うちのまわりはすごい静かな住宅街で、最近引っ越してきたんだよね。 うちは線路沿いに建ってるから、電車が通る音とかも聞こえるくらい静か。 昼間は道路で遊ぶ近所の子の声とか丸聞こえだけどね。 んで、俺両親と姉貴と弟と一緒に住んでるんだけど、家族で姉貴の買い物に付き合ったとき弟と俺はパスした。 姉貴買い物長い。 弟も小さかったし。 まぁ、それはおいといて、弟がいきなり 「ねえ、なんかお祭りやってるの?」 とか言い出した。... 続きを読む

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扉の向こう

古いものを家主のいなくなった家から回収して、業者に売りに出す仕事をしています。 一般の人から依頼があって回収することもあるし、解体業者からお呼びがかかって現場に出向くこともあります。 その日は、知人の親戚の家が誰も住まなくなって十数年放置されているので取り壊す、取り壊す前に空き家に残っているものを整理してくれないか、という事で現場に向かいました。 福岡市内から車を1時間30程走らせた山間の集落で、人の気配はあるのですが、過疎が進んで他にも空き家がめだちます。 かなり大きい屋敷のような家だと... 続きを読む

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