異界

扉の向こう

古いものを家主のいなくなった家から回収して、業者に売りに出す仕事をしています。 一般の人から依頼があって回収することもあるし、解体業者からお呼びがかかって現場に出向くこともあります。 その日は、知人の親戚の家が誰も住まなくなって十数年放置されているので取り壊す、取り壊す前に空き家に残っているものを整理してくれないか、という事で現場に向かいました。 福岡市内から車を1時間30程走らせた山間の集落で、人の気配はあるのですが、過疎が進んで他にも空き家がめだちます。 かなり大きい屋敷のような家だと聞いていたので、... 続きを読む

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神社に迷う

自分は出張で1~2週間ほど遠くに出る事があり、出先で貰った休みにはネットで調べた遊歩道や山歩きコースを散策するのが好きで(といっても本格的な登山ではなく、私服に運動靴のレベル)出張の度にそういった場所を回っている。 こんな怖い板見てる癖に人気のない山林が好きとかどうかとは思うが、風の強い山中で風に煽られた木々がざわつくのを聴いていると落ち着く性格で、でも可愛らしい妖怪とか出会った事が無い、残念。 それで、今から1年ほど前に新店の応援のために10日間の出張を命じられ、新規出店準備から告知案内、チラシの投函な... 続きを読む

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異次元の水

6年前の8月早朝に不思議なものを見た。 朝帰りで下り電車を降り、駅を出て家路に向かって歩いている時のこと。 6時過ぎだったが通りには人気は全く無く自分だけ。 銀行とテナントビルの間の石畳の道に差し掛かった。 よく晴れた朝なのに前方から流水音がするので見ると、あり得ないものがあった。 何も無いはずの空間に丸い穴が開いていて、そこから透明の液体が流れ出ていた。 穴は正円に見えた。 直径30~50cm位だったと思う。 高さは2階~3階くらいの位置。 見間違いじゃないのかとキョロキョロ周囲を見回すも、納得がいくよ... 続きを読む

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遠回りする理由

小学生の頃の話。 下校時、よく道路沿いの家と家の間の小道を通って帰っていた。 この小道を通ると近道になるというわけではなく、むしろ遠回りになるが、ある理由によりこの小道を通っていた。 その理由は後で説明するが、この小道は2メートルほどの高い塀に囲まれていて、入り口の両方の塀にお札のようなものが貼ってある。 かなり古く何が書いてあるのかもわからない。 距離はかなり長く、50メートルほど歩くと住宅街に出て、右に進むとさっきの道路沿いの道に出る。 ある日、またその小道を通って帰っていたが、住宅街に出ると道に迷っ... 続きを読む

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羽田発小松行きの空路

つい先月の話なんですが、出張で羽田発小松行きの空路を利用した時のこと。 この空路はたった1時間で到着してしまうので、離陸・着陸以外のまっすぐに飛んでる時間が、30分ほどしかありません。 普段は搭乗中のトイレを我慢しているのですが、その日はどうにもお腹が痛く、その30分の間にトイレに行きました。 用を足し手を洗っていたところ、突然がくんと機体が下がり、一瞬ゼロG状態に。 慌てて手摺りを掴んだので無事でしたが、かなり大きなエアポケットのように感じました。 それにしては搭乗客のざわめきが無かったので、少し奇妙に... 続きを読む

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