海には皆さんも御存知の通り、妙な生き物が沢山いるみたいですが、 その中の一つにであったという、父の話を一つ…… 「ようけ魚見てきたけど、いろんな海にはもっと凄いのがおるだらぁなあ。多分まだ100分の1も見てないけん」 と、苦虫を噛み潰したような顔をする父。 これは父が、自分が出会った最初で最後の魚(?)の話。 ある年のお盆も過ぎた頃、父と父の友人はイカ釣りに出かけました。 (もうこの頃は、同じ時刻に毎日行きます。だいたい夕暮れ前に出て、10時前後に戻ってくる) その日、父はいつもより早く帰ってきました。 ... 続きを読む
海や川・水にまつわる怪異
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水道嫌い
中学3年の時、同じクラスになったNと言う女の子と仲良くなりました。 おっとりして優しくて、女の子らしい良い子でした。 普段は物腰柔らかく笑顔を絶やさないNでしたが、何故か水道を前にすると怯えた表情になり、口数も少なくなるのです。 水道から出る水と水道その物が苦手であって、飲み水やプールなどは大丈夫だったようです。 水道嫌いの理由を聞いても、何も教えてくれませんでした。 夏休み。 私とNは、当時所属していた茶道部の練習をしに、学校に来ていました。 練習と言っても、お手前をやったり、簡単なお茶会を開催するだけ... 続きを読む
黒い魚
自分自身の話じゃないけど、釣り仲間であり、尊敬する人生の先輩であるKさんから聞いた話。 Kさんは若い頃、漁業関係の会社を経営してたんだけど、漁にいかせてたトロール船の船長から、突然連絡があったんだって。 聞いてみると、『乗組員であるYが死んだ、異常な死に方だ』との事。 Kさんは何があったかのか聞き、 「とにかく、仲間が死んで混乱する気持ちはわかるが、船長のお前が慌てるな!落ち着いて冷静に!」 と、近くの港に行くように指示し、自身もその港に向かった。 港につくと、そこには安らかに眠るYの遺体があり、船の上の... 続きを読む
トイレにいる
子供の頃、トイレ行きたくなって目が覚めるの怖くなかった? オレはすごく怖くて、いつも母親を起こして一緒に行ってもらってた。 ときどき、母親の髪とか寝間着とか変に乱れてる時があって、そんな時は母親が何だか不機嫌だったんだけど、今考えると『大人の事情』だったんだな、多分(3歳違いの妹いるしw)。 それで、ビビリのオレも大人になって、結婚して、子供出来た。長男。 可愛い、すげ~可愛い。抱いてあやすとニコニコ笑うし、もう最高。 こないだまでオムツ換えてた感じなのに、子供ってアッという間に大きくなるのな。 嫁がトイ... 続きを読む
漁師の歌
田舎から上京した友人の話です。その友人の地元は海沿いのさびれた漁師町で、そこに昔から伝わっていて今では口語で歌われている歌があった。 鰯が獲れたら秋刀魚が獲れる秋刀魚が獲れたら鰤が獲れる鰤が獲れたら鰹が獲れる鰹が獲れたら人魚が獲れる人魚が獲れたら子供が獲れる子供が獲れたら肉になり肉になったら鰯が獲れる という、なんだか不思議な歌だった。友人から聞いたときに気になったのは、やはり魚からいきなり人魚や子供に飛躍する点。だが、友人もよく分からないというので「今度帰省したら祖母に聞いてみる」と言って... 続きを読む
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