先日、数年ぶりに母方の実家に行ってきたので、そこら辺にまつわる与太話をしようと思う。ちょっと長いかもしれないが、話半分程度にお付き合いいただけたら幸い。 俺の母方の実家と言うのが本当にド田舎。今でこそ山の上の方に高架道路なんぞが通っているが、昔は山間を縫うように走る狭い道に沿うようにして家が並んでいて村と言うよりは集落と言ってもいいような、そんな場所だった。 そんな場所だからかは知らないが、昔話やら伝承やらそう言った類の胡散臭い与太話には事欠かず。かく言う俺も子供の頃からここを訪れるたびに少... 続きを読む
海や川・水にまつわる怪異
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海沿いの旅館
彼女と福井へ旅行に行った。 日本海側の荘厳な景色を堪能し、海岸沿いにある旅館へチェックイン。贅沢な海の幸に満足し、展望露天風呂にも入ってまったりした。泊まった部屋は3階の北側で、窓の向こうは日本海。 部屋に案内された時「波の音がうるさいかもしれませんが……」と言われていた。見下ろせば、海岸に荒波が打ち付けられる様子がうるさく聞こえる。明日もいっぱい観光するからと、早めに寝た。 耳慣れない潮騒と、遠くイカ釣り漁船の照明でなかなか寝れない。彼女のおっぱい揉んだり、おしりを触ったりしながら、... 続きを読む
卒業式の後で
高校の卒業式が終わって担任教師を交えた全員参加のクラス会(謝恩会兼食事会)があった。先生が参加していることもあり酒類は出されなかったけど、予定では4~8時、その後は期限なしの二次会が先生の黙認のもとで開かれることになっていた。 俺は高校生活(もう10年近く前になる)を、端から見ればそれなりに謳歌してるように見えたと思う。クラスでは、というか学年全体でも人間関係をソツなくこなし愛想良く振舞っていたからだ。しかしそれは上辺だけの付き合いにすぎず、親友と呼べる友達は一人としていなかった。 中学時代... 続きを読む
流れてきたもの
今の家に引っ越してくる前はもの凄い田舎の村にすんでいた。周りを山に囲まれ大きな川もいくつもあって、ほとんど外界の人が来ることは無かった。 ある日、学校から家に帰ると父親がちょうど出かけるところだった。長靴にカッパズボンと明らかに普通の格好でなかったし、もの凄く険しい表情をしていた。そんな父が何故出かけるのか気になり、長靴をはこうとしている父に「どうしたん?」と聞いた。 すると父は「ヒロちゃんが川で遊んでて行方不明になった」と険しい顔で言った。ヒロちゃんというのは近所の子供で3歳くらいの年だ。... 続きを読む
思い出の釣り場
9年前のある日、釣りに出かけていた兄が顔を蒼白にして帰宅した。がたがた震えている兄に話を聞くと「怖い思いをした。○○ガマへは行くな。あかんぞあそこは、コワイモンがおる」と繰り返している。あたたかい紅茶を飲ませ、母と話を聞くとこうであった。 兄はこの時期、いつも釣りに通っているリアス式の湾内にこの日も朝からでかけた。自分たちは○○ガマといって、このガマというのは平家の落人が日々の生活のため塩田を切り開いた土地で、この地方にはいくつもそのような何々ガマという地名がある。 照葉樹林に囲まれた湾内の... 続きを読む
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