三日前に六歳になる娘が、四枚のグシャグシャな百円札を右手に持って帰ってきた。 今時百円札を見るのに違和感を感じ、どこから拾ってきたか聞いた。 すると娘は、向かいに住んでいる同い年の女の子と近くの空き地で遊んでいたら、目の前の空気がぼやけたから、手を延ばしたら何かあって持ってきた、と言った。 その時、向かいの奥さんが家に挨拶に来られてこう言った。 家のMが百円札を持って来て、どうしたのって聞いたら、空気が変なとこがあったから、手をのばしたら紙があって取った、と言ったそうだ。 いまだに何だかわからない。 とい... 続きを読む
家や家系にまつわる怪異
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栄える家
友人から聞いた話である。この友人の名を仮に瀬倉とする。 瀬倉が中学校の頃のこと。 瀬倉には川中という友人が居た。 川中とは中学校に入ってからの友人だったのだが、気が合うことも多く、いつしか親友と言える仲になっていた。 ある日川中は、瀬倉の家に遊びに来た時、瀬倉の弟妹を見て、 「いいなあ。俺も下の兄弟欲しいけど、できないからなあ」 そう漏らした。 「できない?」 「できないって言うか、つくれないって言うか……。変な話なんだけど、家の決まりなんだよ。お前になら話してもいいか……」 瀬倉は両親の体質のことか何か... 続きを読む
坪の内
自分の実家は築100年。 岐阜県に大正村というところがあるが、そこで公開している家にそっくり。 中庭を囲むように、母家・渡り廊下・離れがコの字状に並んでいる。 子供の頃、なぜか、じいちゃんから「夕方は坪の内(中庭)に行ったらあかん」と言われていた。 トイレは離れの横にあるので、生活空間の母家から夜でも真っ暗な渡り廊下を通って、トイレに行かなければならなかった。 仕方ないので、夕方だけは尿意を催すと、近くのコンビニへ行くか我慢していた。 中庭は坪の内といい手入れされた数本の木と苔むした石のまわりに白石を敷い... 続きを読む
ダビオ
マンションを探していた時に、6年前に首吊りがあった物件がありました。 住人の男性が家族が留守中にクローゼットで首をつって亡くなって、夕方戻った家族に発見されたそうです。 その後も、ご家族が住んでいましたが、奥様が田舎に引っ込むのを機に手放すことになったそうです。 過去にそういう痛ましい事があったということは告知義務があるから不動産屋さんは必ず言わなくてはいけないそうです。 もちろん価格はかなり安くなっていましたが、なかなか買い手も借り手もつかず空き部屋のまま長いそうで、勧められるまま不動産屋さんと一緒に見... 続きを読む
敷延物件
自覚している限り、霊能力はゼロに等しいと思っている私が先日体験した話です。 少し状況を整理したいので前置きが長くなってしまいますがお許しください。 私は埼玉県の不動産屋で働いています。 取り扱っているのは売買の仲介であり、広告媒体等に掲載する為に物件を調査し、現地写真を撮影しに行くのも仕事の一環になっています。 とあるデベロッパーが新築分譲した全20棟の大きな現場があるのですが、この現場が今回体験したお話の舞台となります。 現場の配置は下記のようなかたちになります。 (行間等がずれて見づらくなってしまった... 続きを読む
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