母屋とは切り離され、敷地の北東の角、つまり鬼門にあたるところにその厠は建っていた。今でこそ田舎でも簡易水洗のおかげで明るく清潔なトイレに変身したが、ほんの数十年前までは薄暗く不潔な汲取り式の便所が大半だった。 Kさん宅の厠も、壁はところどころ地肌が見えるほど痛み、苔むした屋根瓦の何枚かは今にも落ちそうだった。申し訳程度の小さな窓しかない古い厠は昼間でも薄暗く、鼻をつく匂いが澱のように淀んでいる。日が暮れると、天井からぶら下がる、わずか10Wほどの明るさしかない裸電球が、弱々しく陰気な光で厠の内部を... 続きを読む
地方・田舎にまつわる怪異
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ヒャクセイ
自分的に死ぬかと思った話。 去年の夏休み、秋田のド田舎村に帰省したときの話です。 辺りは水田や畑ばかり。 大学で生物の研究をしてる私はカエルや蛭を探そうと猛暑の昼、水田へ向かった。 自転車で向かう途中、道のド真ん中にオッサンが倒れて手足をバタつかせていた。 日光浴かと思い近付くと笑っている、ひたすらゲラゲラ笑っている……、涎を垂らし笑いながら手足をバタつかせている。 嫌なもん(知的障害者かと思った)見たと思い、帰宅しました。 その後、何故か村中騒ぎになった。 爺ちゃんが「その人はヒャクセイ... 続きを読む
途絶える言葉
たまに覗かせてもらってます。 ちょっとした事を知っているので、それを書き込んでみます。 いないとは思いますが、声出して私の文章を読むようなことは止めて下さい。(長くなるのでそんなことする人はいないと思いますが) 「死語」という言葉がありますが(私もいい年なので知らずに使ってたまに恥ずかしい思いをしていますorz)、それとは別の意味の「死」を意味する言葉というのをご存知でしょうか? 「呪い」とか「祈祷」の類ではなく、かといってその言葉を発したところで誰か「死ぬ」とか発した本人が「死ぬ」というわけでは... 続きを読む
老婆
あれは僕が小学5年生のころ。 当時悪がきで悪戯ばかりだった僕と友人のKは、しょっちゅう怒られてばかりでした。 夏休みのある日、こっぴどく叱られたKは僕に家出を持ちかけてきました。 そんな楽しそうなこと、僕に異論があるはずもありません。 僕たちは、遠足用の大きなリュックにお菓子やジュース、マンガ本などガキの考えうる大切なものを詰め込み、夕食が終わってから近所の公園で落ち合いました。 確か、午後8時ごろだったと思います。 とはいっても、そこは浅はかなガキんちょ。行く当てもあろうはずがありません。 ... 続きを読む
老婆と人骨
むかし小学生の頃保健の先生に聞いた話だけど岐阜の民家であったゾンビ事件はこわかった。 その村は岐阜の小さな村で人口も少ないため、家同士が隣接していなく隣の家との距離は100mほど離れていました。 ある雪の日、休憩させてもらおうと思い空家に入ったら老婆がいました。 老婆に案内され後ろからついて二階に行ったら(その家は古い家なので20畳ある部屋が一階と二階にありました。)老婆が消えてしまいました。 仕方ないので一階にもどり気味が悪いので帰ろうとすると一階の畳の真ん中で老婆がカマを持って立っていました。... 続きを読む
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