集落・部落にまつわる怪異

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小屋の中の穴

俺の祖父の体験談を一つ。 当時祖父が住んでいたのは、お約束っちゃーお約束だけど、へんぴな山麓の農村だった。 住んでる人が少ない上に、その村から外に出る事も無いから、村一つで1個の大きな家族みたいな感じだったんだな。 そこで当時小学生だった祖父は、肝試しとか鬼ごっことかして育っていった。 そんなある日、祖父の親友(以下『甲』とする)の家に新しく弟か妹ができるみたいな話を、その甲から聞いたらしい。 祖父も喜んで、また『家族』が増えると心の底から祝ってやった。 甲の話だと、もう弟の場合も妹の場合も名前は決まっ... 続きを読む

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古い木箱

父から聞いた漁村の話です。 戦争中、紀元二千六百年記念行事の際に、漁村の神社を新しくするという事業が行われたそうです。 そのために、神社の宝物殿のものを他の場所に移す作業が必要になりました。 たくさんの人間がそれに関わるというのは、なにかと都合が悪い(盗まれたりする)というので、村の若者(当時は子沢山だった)のなかから三名の二十歳まえの男が選ばれたそうです。 そのうちの一人から父が聞いた話なのですが、宝物を移動させるのですが、それほど多くなく、1つ、古い木箱(船の荷造りのために作るような箱)が特に重要だと... 続きを読む

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長い豚の肉

15年くらい前に爺ちゃんから聞いた話。(うろ覚え) 爺ちゃんは日中戦争でシナに配属されてたんだけど、太平洋戦争が始まって南方に派遣されたらしい。 その時の南方の島(オセアニア周辺か?)での話。 爺ちゃん達の支隊が島を調査していると、現地民の集落を発見。 おそるおそるピジン・イングリッシュで話しかけてみると、通じたので一安心。 現地民は好意的で、お祭りを開いて歓迎をしてくれると言う。 日本軍は南方では漁を教えたり、畑を作ったりしていたので、原住民から歓待を受けることは結構あったらしい。 (なんか来訪神信仰と... 続きを読む

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カラコロシ

中学の時の地元での話。 うちの地元の神社では変な神が祀られていた。 神の名前はメジャーじゃない、聞いたことのないもの。 『カラコロシ』。 何でも地元にだけヒッソリと伝わってきた伝説のため、外部の人間は知らないし知る由もないらしい。 このカラコロシ、伝説と悪い噂があるのだがこれがまた面倒くさい。 伝説は鎌倉時代にまで遡る。 当時、村にとても忌み嫌われてる若者がいた。 若者は嘘とも本当ともとれない自慢話を毎日毎日うるさいくらいしていたからだ。 自慢話をうるさく感じていた村人たち。 ついに怒りは爆発し、村の男全... 続きを読む

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集落の謂れ

うちの一族はもともと九州南部の山間の小さい集落に住んでいた一族で集落の名前(地名)=一族の苗字、集落全体が親戚って感じです。 そんなうちの一族に伝わる不思議な話です。 もともと別の土地に住んでいたらしいのですが戦に追われ、一族郎党でその山に逃げ込みました。 着の身着のままで上は老人、下は乳飲み子で食べるものもなくなり、山中で精も根も尽き果ててあたりも暗くなり、もはやこれまでか……とみんな諦めかけたそうです。 すると闇の中から人影が現れ言いました。 「こんな夜中に幼子を連れて山に居る輩がいるといわれて様子を... 続きを読む

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