池の爺さん

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

子供の頃はたいてい誰でもヤンチャだし、変な噂があるような場所があったら、なんも考えず「行こうぜ!」って行っちゃうだろ?
俺もそんなクソガキだったんだよ。

俺が中学生2年生の時の話なんだけど、俺の地元は田舎なとこで、田んぼたくさん、木々がたくさん、みたいなとこだった。
当時はこんな噂があった。

・ホモ屋敷と呼ばれる水車小屋に最近女の幽霊が住み着いてる。(なぜホモ屋敷なのかはいまだに知らない)
・森の中にある散歩コースみたいなとこがあるんだけど、そこの途中に防空壕があって、そこには昔の日本兵が未だに敵を待ち構えてる。
・中心に鳥居がある池があるんだけど、夜にその鳥居をくぐると異世界へ行ける。

どれも子供が考えそうな適当な噂だけど、当時はそれを信じて確かめようぜ! なんて言って夜に仲のいい友達を3人誘って確かめに行ったんだよ。

結局最初の二つはなんもなかった。
怖かったし、肝試し気分で楽しんだからよかったけど、もう飽きてた。
だから3つ目の池の噂ももうどうでもよくなってきてた。
池に着いてから気付いたけど、鳥居をくぐるには池に入らなきゃいけない。
いかんせん、俺も中学生。夜の池に飛び込むのは怖かった。
けど全部確かめたかったし、どうせなんも起きるはずがないってことで、じゃんけんで負けたやつが行くことにした。
俺が負けたわけだが。

意を決してパンツ一枚になり飛び込んだ……が予想以上に深かった。
俺はおぼれかけて、捕まるとこが鳥居しかなかったから、必死に鳥居を目指して水の中で暴れた。
友達もさすがにやばいやばいってなってた。
なんとか鳥居にたどり着いたが、咳き込んでるし、足は結局下につかないし、俺は疲れきってた。
まじでこれはやばいって思ってた時だった。
「大丈夫かい? ほら手を伸ばしてごらん?」
急に爺さんの声が聞こえて、水面に映る手が見えた。
上を向いたら、鳥居につかまってる爺さんがこっちに手を伸ばしてた。
今思い出したら吹き出しそうな感じだけど、当時は神様が助けてくれるんだと思った。
俺手を伸ばしてその手を掴もうとしたのだけは覚えてる。

気がつくと朝で、頭とか腕に包帯を巻かれてて、変な部屋で寝てた。
後から聞いた話だけど、俺は手を鳥居に伸ばして狂ったように叫んでたらしい。
そこを偶然通ったおっさんがすごい顔しながら「まずい!」とか言って、俺の腕をめがけて石を投げまくったらしい。
投げた石が俺の頭とか腕に当たった瞬間、俺がすごい顔でおっさん達をにらんで、そのまま沈んでいったらしい。
そこをおっさんが飛び込んで助けてくれたらしい。
朝起きた時に俺が寝てた部屋はおっさんの家で、おっさんが真剣な顔して、
「親御さんには黙っててやるから帰りな。だけどな、絶対これからは変な噂を確かめるとかはやめなさい。それと、あの池にはあまり近づかないようにしなさい。神様は誰にでも優しいわけじゃないし、本当に神様かなんてわからないからね」

俺はそのまま帰って三日は学校を休んだ。
なんか話を聞いたら怖くなって外に出れなかった。
学校行ってからも、しっかりお守りをポケットに入れて、しばらくは神社とかそういう類のとこには近寄らなかった。

子供をさらおうとする神様なんているのかな?
別に地元にはもう住んでないし、調べたいから教えてって言われたら教えますよ。

270 270 2012/05/24(木) 16:48:39.30 ID:fHAXJ+lT0
子供の頃の不思議な体験

人気ブログランキング
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コメント

  1. 匿名 より:

    神様だと思ったのが悪いモノで、石投げたおじさんの方が恩人なのか…。下手すりゃ投石で死んでたかもな。そもそも夜の池に飛び込むなんて無謀過ぎ

コメントを残す


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

SNSでもご購読できます。