担々麺

うちは親父が海外出張ばっかで家にいないのが普通の家庭だったんだ。
母ちゃんも飯作るのが面倒な時(少量自炊するのってすごい面倒らしい)は、知り合いがやってる中華料理屋によくいってた。
俺が中学上がってから母ちゃんがフィットネスジムに通いだして、ママ友とおしゃべりしたいときは、
「今日少し帰り遅くなるから~さん(中華屋のババァの名前)のとこで夕飯食べておいて」
て言われて、よく一人で食べに行ってた。
そこの中華料理屋ぶっちゃけ不味くてさ、俺は行くの嫌だったんだけど母ちゃんからすると知り合い同士だし、俺が一人で急にいってもツケにしといてくれるから便利だったんだよ。
んで、俺は金もないし腹は減るしでしょうがなく食いに行くわけ。
その中華屋はまぁ不味いわけだから客がいねぇのよ。
俺が行く夕方以降だとご飯ものはまずNG。
朝炊いた米だから、端の方で乾いた固い部分とか入ってる時あって食えたもんじゃない。
客が少なくて料理が出ないから野菜、肉も基本古い。
だから俺は一番ましな麺類をよく頼んでたんだ。

ある日俺はいつものようにラーメン頼んで待ってたら、中華屋のババァがニコニコしながら、
「~ちゃん、これ新しい麺のメニューなんだけど試してくれない? お題はいらないから♪」
とか言ってタンメンもってきやがったの。
俺は、
『ババァ余計なことすんじゃねぇ! ここじゃ野菜はアウトなんだよ! そもそも俺が御代払うわけじゃねぇし』
て思いながらも口には出せず
「ありがとうございます」
て言ってモソモソ食い始めた。
俺は最初タンメンかと思ってたんだけど、よく見ると赤いしひき肉じゃなくて豚バラ使ってる野菜担担麺だったのね。
それが結構おいしくてさ。
俺はババァに「おいしい」って言って、こりゃあ今度から担担麺一択だわ~とか喜んでたのよ。

それから俺は猛烈な勢いで中華屋に行くようになって、担担麺を食いまくったんだ。
まぁラーメンとかって一回気に入ると中毒性でるじゃん?
しかも辛いもんだから余計に食いたくなってさ。
多い時は朝行って夜行く時もあったくらいハマったのよ。
あまりにもうめぇからクラブの連中なんかにも勧めて、親から小遣いもらってみんなで食いに行くこともあった。
その内子供経由でうわさが広まって、近所でその中華屋の担担麺が流行りだしたんだよ。

そんで俺があまりにも中華屋に行きたがってさ。
母ちゃんが飯作っても当時の俺は食べたがらないで、よく喧嘩になってたんだ。
俺は親父が家にいないことが多いっていうのもあって、あんまり母ちゃん困らせたくないって考えが(母ちゃんは親父が出国した日の夜は心細くて泣いてた)ガキの頃からあって、今まで母ちゃんに反抗することなんてなかったんだ。
そんなだったから、普通だったらそこですごい怒られるんだろうけど、俺の場合やっと第一次反抗期が来たって思われたらしくて、家もある程度余裕があったから飯くらいは自由にさせようってなって、毎日夕食は中華屋で取ることになった。
母ちゃんも知り合いのババァとお喋りできたから楽しかったし、俺も担担麺食って機嫌よく学校のこと話したりするから嬉しかったんだろうな。

担担麺食うようになってから半年くらいして、母ちゃんが瓶詰された担担麺に入れてる味噌?みたいなやつを持ってきてくれたんだ。
その時の俺は知らなかったんだけど、中華屋も夜は待ちが出るくらい客が来るようになってて、そうなると毎日飯を食いに来てる俺を見て、近所で
『あそこの奥さん子供に夕飯も作らないで毎日外食させてるらしい』
て陰口言われだしてたらしいんだよ。
それを聞いた中華屋のババァが、その味噌があれば家でも似たようなもの作れるからってくれたんだ。
その味噌見て俺も喜んだよ。
早速母ちゃんがスーパーで買ってきた生めんのインスタント? タンメンに、味噌入れて野菜ましましで食わせてくれたんだ。
そしたら中華屋と味が全く同じでうめぇんだこれが。
それからはもう野菜炒めに味噌入れたり鍋に味噌入れたりなんにでも入れて、俺は休日なんて3食味噌入りの料理食ってたの。

まぁみんなもここまで来たらわかると思うけど、その味噌になんか中毒性のあるやばい物が入ってたんだろうね。
家で食うようになって俺の体調がおかしくなってさ。
味噌を直接舐めるようになって、食欲が異常に出たり、いきなり笑いが止まらなくなったりしたんだ。
実は最初に味噌をもらった時に一回直接舐めたんだけど、その時は舌がびりびりして、とてもじゃないけど直接舐めれるものじゃないって思ってたんだ。
(中国でよく使うコショウみたいな粉、バーミヤンのから揚げとかについてる奴がはいってて直接舐めると舌がびりびりした)
それが完全中毒になってからペロペロ舐め始めるんだから、明らかに異常だよな。

俺はよく暴れるようになったんだけど、母ちゃんは味噌が原因だって気づかなかった。
中華屋のババァに何かの時に話した時に、ババァが超慌てて味噌で食わせるなって止めたらしい。
そのあと母ちゃんは知り合いに相談して、俺はよくわからん場所に送られて、夏休みとその前後3か月くらい軟禁生活になったんだ。
薬とか飲まされたわけじゃないけど、毎日決まった時間に起きて決まった時間に寝て運動して食事して、水をよく飲まされたのを覚えてる。

ちなみに、その中華屋は今でも担担麺で繁盛してるし、美味いって評判になってる。
そんでうちの町内は変質者がすごい多いし、殺人までは行かないけど、刃物振り回したり車で人んちに突っ込んだりする事件が他の地域に比べるとかなり多い。
関係があるのかはわからないけどね。

一応夏に連れて行かれた先とかその後も色々あったんだけど、もし聞きたい人いたら書き込むよ。
幽霊系の怖い話じゃなくてすまん。

718 本当にあった怖い名無し 2012/06/24(日) 16:39:06.91 ID:mKp8RK1jP

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  • 中毒花椒

    その味噌だか醤を、ババアには内緒で、どこかの研究所で調べた方がいいんじゃないの?

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