道具

土産の鏡

俺が兄の友達から聞いた話。 彼が高校一年の時、彼の叔父が欧州へ旅行に行き、お土産をくれた。立派な青銅の縁取りのついた鏡である。彼は叔父に、こんな高そうな物を貰って良いのかと訊ねたところ、実際高かったそうだが良いらしい。「英語も通じねえ古道具屋で、値切って値切って買ったんだ。それでも結構したんだぞ。大事にしろよ?」どうしてそこまでしてこれを? と彼は思ったが、礼を言って、鏡を部屋の机の上に置いた。 その日の晩。部屋の中で誰かがしゃべっている気がして、彼は目を覚ました。最初は夢かと思ったらし... 続きを読む

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じゃあ、書く。私の家族のこと。 私の家族はけっこう普通じゃない。 こんなこと書いてる私自身もいま普通じゃないけど。 詳しく書いてく。 えーっと簡単に箇条書きすると 父親(54)水道とか浄化槽関係の仕事についてる。家があるのになぜか車中生活してる。ものを全く捨てることができない。変人。 母親(45)金融関係の仕事をしている。変人。 姉(25)保育士。変人。自傷癖あり。過食症状あり。わけのわからないひとりごとあり。変人。 私(20)大学生。重度の収集癖。買い物依存症。ペット依存症。... 続きを読む

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【ショートショート怪異譚(物・道具)】都内古書店で買った本、死体人形、冷蔵庫

都内古書店で買った本 俺の叔父さんの話。 叔父さんは古書集めが趣味で、暇さえあると古本屋巡りに出かけていた。 とある古本屋で叔父さんは、アメリカ人がインディアンと戦ったときの記録を、当時のアメリカ人が日記風に記した古書を見つけた。 オリジナルではなく複製だったけど、その当時の年代に複製されたのは間違いないらしくて叔父さんは大枚はたいてそれを買った。 叔父さんは、その本を自分の部屋の書斎に大事にしまっておいた。 その日依頼、なんとも寝付けない日が続いたと言う。 仕事から帰ってきて自分の部屋... 続きを読む

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手鏡

実家が葬儀用具の卸売をやってた。 親父が確か4代目だか3代目。 俺は長男で跡継ぎだったんだけど経営が傾いていたことと、俺自身そんなに継ぐつもりもなかったので親父が脳溢血で死にかけたのを機に会社を畳んだんだ。 寺とか神社とか、葬儀会社とかの直接な仕事じゃないとはいえ、やっぱり人の死で稼ぐ商売、心霊的な話はチラホラ親父から聞かされてきたし、たまーに俺も体験することがあったんだけど。 その中で一番ヤバイ話。 会社を畳むことが決まって、家族で色々と片づけてた時だ。 事務所は親父の生家(随分前から住... 続きを読む

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ハカソヤ

ほんの数年前に知った私の母の故郷(四国のド田舎)の習慣の話です。 うちの集落にはハカソヤという女限定の変な習慣があります。ハカソヤにも色々あって、大きく分けてお祝いの言葉に使う場合とお守りのことを指す場合があります。お祝いの言葉のほうは、例えば初潮が来た女の子や恋人が出来た 未婚の女性に「おめでとう」の代わりに言ったりします。 お守りのハカソヤは母親から一人前になった娘に手渡す安産のお守りのことを言います。例えば娘が就職して実家を出て遠方に行くときなんかは必ずもたせます。この場合何をもって一... 続きを読む

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