そういえば、ひとつ高野山での体験談を思い出した。 漏れが高野山に住んでいた時、こんな噂話を聞いた。 曰く 「昔、坊主専用の廓が山のどこかにあった」 「その廓は終戦後取り潰されて廃墟になったが、今でも形を保っている」 「そこはとんでもなくヤバイところで、何が出るかは知らないが、行ったら正気では帰って来れない」 と、ものすごく好奇心をそそる内容。 当時寮生だった漏れは、ある夏の休日に寮の後輩を無理矢理引き連れて噂の廃墟へと向かったのさ。 と言っても廃墟の場所は正確にわからないから、ちょっとしたピクニック気分で... 続きを読む
歴史
アメリカの老人
今からもう十数年前、私が仕事でアメリカへ行ったときに聞いた話をします。 (具体的な内容は個人が特定されそうなので書けません、ご了承ください) 当時、アメリカの企業と日本の企業が共同でとある実験施設を作る計画が立ち上がった。 私の会社はそこに大きな機械をいくつも納入する事になったため、私を含め会社の10名ほどが現地の視察や今後の打ち合わせをするために向かう事になった。 場所はアメリカ中部の砂漠地帯、かなりの田舎にある場所で、周囲には寂れた町が一つあるだけだった。 その町に到着して3日ほどしたある日。 丁度私... 続きを読む
十九地蔵
俺の家は広島のど田舎なのだが、なぜか隣村と仲が悪い。俺の村をA村、隣村をB村としよう。不思議な事になぜ仲が悪いのかは不明なのだ。 A村の住人に聞いても、B村の住人に聞いても明確な理由は解らない。理由不明。しいて言えば、ご先祖様の代から互いに敵対していたと言う理由。つまり先祖の遺恨しかない。A村、B村の人間は結婚など御法度である。 そればかりではない。俺のじいさんなどはB村へは決して行くなと言う。別にB村は部落民と言う訳では決してないしA村も同様である。 「なんで行っちゃいけないの」と子... 続きを読む
牛ノ首衆(牛の首)
牛の首1 誕生日 私は、今も誰かの視線を感じています。しかも大勢の視線を……私は、あの時、あんな話さえ聞いていなければと後悔しています。私が大学生の頃、親しくしていたボーイフレンドがいました。その人とは「付き合ってもいいかな」と思っていたのですが、なかなかアプローチもしてくれません。彼とは、ずっと友人関係のままでした。ある日、彼の家で、友人達と宅飲みをしていた時のことです。彼が「今日泊が、お前に片想いなんだって」と私に告げました。今日泊君のことは「変わった名字の人だな」と思っていましたが私は今日泊... 続きを読む
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