一昨年亡くなった祖母から聞いた話。
祖母によると、祖母の父(曽祖父)はも地元の名家で、分家をいくつも持つ本家の筋だったらしい。その家では一族で信仰してる宗教があり、10年に一度、本家分家すべてを集めて神事を行う。これは本家から少し離れた山にある社まで山菜の詰めた箱を運び奉公するというもので、その土地の神様に一族の繁栄を祈願するための祭らしい。
これとは別に60年に一度行う、裏の祭があった。正式な名称はよく分からないので、ここでは裏祭と呼ばせてもらうが、これは本家、分家から10歳未満の子供を集... 続きを読む
私の故郷に伝わっていた『禁后』というものにまつわる話です。どう読むのかは最後までわかりませんでしたが、私たちの間では『パンドラ』と呼ばれていました。
私が生まれ育った町は、静かでのどかな田舎町でした。目立った遊び場などもない寂れた町だったのですが、一つだけとても目を引くものがありました。町の外れ、たんぼが延々と続く道にぽつんと建っている、一軒の空き家です。長らく誰も住んでいなかったようでかなりボロく、古くさい田舎町の中でも一際古さを感じさせるような家でした。
それだけなら単なる古い空き家…で... 続きを読む
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