小学4年か、5年の夏休みだったと思う。両親の仲がうまくいかなくなり、色々あって、半月あまり父親の実家に預けられた。祖父も祖母も優しくしてくれたので寂しくはなかった。 特に祖父は、釣りの好きなオレを気に入ってくれていた。(どうもオレの父親は、釣りが好きじゃなかったらしい)今日は朝方○×の港、明日は夕方△□の磯、そんな感じで色々な釣り場で釣りの秘訣を教えてくれた。「アキ(←オレ)はなかなか筋が良いわ、タケ(←父)は全然駄目だったがな……」そう言って笑う祖父の顔を見ると、オレも嬉しくなる。自分でも色々工... 続きを読む
妖怪
【ショートショート怪異譚(妖怪)】天狗の空木倒し、ヨモツヘグイ、カッパ
天狗の空木倒し 爆発音について一つ。 うちの祖父母は鳥取県の山村に住んでいます。 うちが消防の頃(十年くらい前)祖父母宅に泊まったのですが、 その時、裏の山から大きい爆発音を聞きました。家も少し揺れました。 夏の夜、確か2時くらいだったと思います。 翌朝、祖父母にたずねたらこんな事を教えてくれました。 中国地方には、地域により少し名前は変わるのですが、天狗の空木倒し(てんぐのからきだおし) という現象が昔からあるようです。 夜木が倒れたり、石が家にぶつかるなどの音がするが朝にま... 続きを読む
よりかたさま
会社の新入社員研修の時に同じ部屋だった同期のAから聞いた話。 研修中、毎晩毎晩うなされてて煩いので、問い質したら冗談めかして以下のような話を始めた。 多分、作り話だろうけど、最近ある機会に思い出したので。 Aは都内の大学を卒業して新卒で会社に入ってきたんだけど、出身はN県。 それも実家があるのは、かなり田舎の方らしい。 で、このAの祖母がかなり迷信深い人で、昔から色々な話を聞かされたんだとか。 その中でも一番よく聞かされたのが『よりかたさま』という妖怪(?)だかの話らしい。 簡単に要約す... 続きを読む
キャッシャ
俺の実家の小さな村では、女が死んだ時にお葬式の晩は村の男を10人集め、酒盛りをしながらろうそくや線香を絶やさず燃やし続ける、という風習がある。 ろうそくには決まった形があり仏像を崩した? ような形で、その年の番に抜擢された男のうち最も若い者が彫る。また家の水場や窓には様々な魔除けの品を飾り、それらが外れないよう見張る。番人以外はその夜、たとえ家人であっても家の中に入ってはいけない。他にもいくつか細かい決まりがあるのだが、これらはキャッシャと呼ばれる魔物から遺体を守るために代々受け継がれている風習だ... 続きを読む
辰眼童さま(シマナオさま)
もう8年前になるかな…… 当時高校生で、夏休みの時期でした。 6年ぶりに遠くに住んでる祖父母に会うと父が言いました。 夏休みも、もうそろそろ終わりで遊ぶ金も使い果たしたので暇つぶしにいいかなと。 祖母さん祖父さんもかなり年食ってて、会うのもこれが最後かな……とか孝行のつもりでも行きました。 祖父母は、某県の佐○島という田舎中の田舎に住んでました。 ビル等全く無く文明に孤立したような雰囲気でした。 ところどころに祠のようなものがありましたが不思議に感じたのが、それに祀っている物です。 普通は... 続きを読む
最近のコメント