じっちゃま(J)に聞いた話。昔Jが住んでいた村に、頭のおかしな婆さん(仮名・梅)が居た。一緒に住んでいた息子夫婦は、新築した家に引っ越したのだが、梅は「生まれ故郷を離れたく無い」と村に残った。しかし他の村民の話では、「足手まといなので置いて行かれた」そうだ。 その頃から梅は狂いはじめた。普通に話しをしているかと思うと、いきなり飛びかかり腕に噛み付く。腕の肉が削り取られる程に。そんな事が何度かあると、「ありゃあ、人の肉を食ろうておるんじゃなかろうか」と、村中で噂が広まった。 まだ子供だったJは... 続きを読む
集落・部落にまつわる怪異
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踏み入れるべきではない場所
始めに書きますが、とても長い話です。よろしかったらお付き合い下さい。 私がまだ小学校低学年の幼い子供だったころに、趣味で怖い話を作っては家族や友達に聞かせていました。「僕が考えた怖い話なんだけど、聞いてよ」ときちんと前置きをしてからです。特にじぃちゃんが私の話を喜んで聞いてくれました。私はそれがとても嬉しかったんです。熱心に聞いてくれるのと同時に、こわがってくれたから。 そんな折、私の作った話がクラスの中で流行りだしました。放課後の男子トイレで個室を叩くとノックが返ってくる。といったありがち... 続きを読む
おきつね様
私には小さい頃から多少の霊感があった。特におきつね様という狐の霊は、幼稚園に入る前から見えていた。(おきつね様というのは、度々私の前に現れる真っ黒な狐の影で、迷子になったときに家の近くの神社まで案内してくれたり、危険な場所から遠ざけてくれたりする不思議な存在。喧嘩した後泣いているときには尻尾だけ出してみたり、時には人の手の形になって遊んでくれたりもした。) 小学生のあるときから、人の身体の周りに、淡くぼんやりと色のついたもやもやが見えるようになった。部分によって色が違ったり、もやもやの広さ(幅?)... 続きを読む
神様の婿
眠れないがてら昔話でも。俺の地元は山中にある集落だった。 だったというのは今ではその集落は過疎や車が必須などの不便さにより、ほとんどの世帯が山の麓の町に移り住んでるため今では先祖の墓が残っている程度だ。俺は中学卒業と同時に県外の高校に下宿し、地元に帰るのは1年に一回というのもザラで高校卒業後就職してからはほとんど帰ることもなくなった。 就職して3年ほどたった時実家から一本の電話があった。近いうちに実家に帰って来いというたまにくる催促の電話だ。俺は仕事が忙しくない時期だったこともあり久々に顔で... 続きを読む
荒魂にまつわる話
私の大学の知人に部落出身者がいた。知人の出身部落は山間の村で、村まるごと部落らしい。(江戸時代には皮なめしを生業にする人が多くいたらしい。) その村は近隣の村との間柄も悪くは無く、知人はそんな環境で育っていたからか、至って常識人だった。その知人によると「エセ同和と在日が恐くて仕方ない」とのこと。知人は近隣出身の人から畏怖されてはいたが特に嫌われている様子はなく、就職の際も地元企業しか就職活動をしていないので特に酷いこともなく地元の信金に内定した。 知人に聞いても、強いて言えば地元住民か確認の... 続きを読む
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