ある地方の村で起こった話。 その村、山中に這うように細長く民家が点在する、いわゆる寒村だ。 人口は少ない。 当然、子供も少ない。 村に住む少数の小学生たちは、山道を4Kmも下った小学校まで毎日歩いて登校していた。 小学校までの道のりは、彼等にとってさほど苦痛ではなかった。 年上の子供が年下の子の面倒をよく見ながら、他愛のない会話に盛り上がり、コロコロ笑いながら日々の登下校を繰り返す。 自動車のすれ違うのも難しいほど細い道を、彼等は毎日歩いていた。 ある冬の初め、子供たちはひとりの男に出会った。 男は釣り人... 続きを読む
地方・田舎にまつわる怪異
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霊魂を迎える行事
先日体験したばっかりの霊体験。 自分の実家は西日本の漁村だ。 正直田舎、それもかなりの。 ご先祖様の霊魂をお迎えし、また送り出すという盆の行事も勿論普通に行われてる。 うちの村の場合なんだが、海岸から沖に向かって防波堤が伸びてて、この一番先に門(と言っても大人が屈んでくぐれるくらいの木枠)をこさえて、その門から毎年8/7に霊魂を迎える。 防波堤は岩を敷き詰めて作ったもので、盆の間は魂の通り道になるから、生きた人は近づいちゃいけないことになってる。 8/8から8/14までは、その海の目の前にある寺の墓に、行... 続きを読む
ガキ大将
昨日、今日と帰省してきた。 俺の郷里ってのが海と山に挟まれた小さな町で、スーパーくらいはあるけど、山を越えないとデパートとか、そもそもが駅さえ無いようなドイナカなのな。 子供時分も、山側と海側に小学校が一校づつ、海側に中学校が一校しか無くて、それ以外に隣り合う校区ってのが無い、小さな小さな世界で暮らしてきたわけ。 そんで俺は海側の人間で、中学に進級すると山の奴らとも同じ学校になるわけだけど、とにかく奴ら、排他的っていうか、全員が同じ一族みたいな気味悪さがあってさ。 人数が俺ら海側の1/4くらいしかいなかっ... 続きを読む
イビナ
田舎に祖母の家があり、幼い私は夏休みなので母親とそこへ遊びに行っていた。 うとうとしていた私がふと目を覚ますと、母親が皿を片手に目の前に立っていた。 母は無表情で皿を差し出して 「白菜を甘く煮たやつ(当時の私の好物だった)だよ」 と言う。 でも皿の上のはどう見ても白菜じゃなくて、見たことのない野菜。 それにしつけに厳しい母親が、ご飯時でもないのにご飯を食べさせるなんておかしい。 そう思って私は拒否したけれども、いつもと違う母親の様子に負けてそれを食べた。 甘くもなく、野菜特有の臭みもなく、ものすごくみずみ... 続きを読む
ノウケン様
ついこの間までお盆の行事だと思いこんでた実家の風習を書いてみる。 実家と言うか、正確には母方祖母の実家の風習だけど。 母方祖母の田舎は山奥で、大昔は水不足で苦労した土地らしい。 それを地元の豪農の人が、私財をなげうってため池や用水路を作り、田んぼで米が作れるようになったそうだ。 でもこの用水路を造るにあたって、殿様というか藩? からなかなか許可が下りず、豪農の母親が自分の命と引き換えに嘆願した……みたいな話を、おばあちゃんから聞いたことがある。ウロ覚えでごめん。 ここまでが前置き。 んでおばあちゃんの地元... 続きを読む
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