私には幼い頃からどうしても忘れられないある風景があります。 戦時中のような裸電球がともる部屋の中で、私は何か茶色の扉のような物を見つめている、外には誰かが居るらしく、開けようと近づくと一人の男が現れる、彼のきている縞模様の服の色だけが鮮明に眼に焼き付いています。その人は私の代わりにドアを開ける、記憶はここで途切れていて、どうしても続きが思い出せません。子供の頃のことなのか、どこかで経験したことなのか、両親に聞いても知らないと言うし、第一私達家族が今住んでいる東京の家にはそんな古風な部屋などありませ... 続きを読む
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