恐怖症

掌恐怖症

死に目を看取った叔父の話。 独身だった叔父は、姉の子供のオレを我が子のようにかわいがってくれていた。 オレも叔父が大好きだったし、社会人になってからオレは叔父と同居して、叔父が亡くなるまで一緒に住んでいた。 叔父には一つだけ変な癖があった。 叔父の変な癖とは、叔父は子供の掌をとても怖がる癖だった。 どのくらい怖がっていたかというと、小さかった頃のオレが手を少しでも上げようとするだけで全速力で走って逃げるほどだ。 オレはそれが面白くて、よく手を叔父に向けたまま叔父を追いかけて遊んでいた。 意地悪く追いかける... 続きを読む

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廃屋恐怖症

小4のときの話。 たぶんみんな経験があると思うけれど、小さい頃って「廃屋」があるって聞いただけで冒険心が疼いて仕方ないと思うんだ。 俺自身もあの日は家からそう遠くない場所にまだ探検してない「とんでもない廃屋」があるって聞いて、狂ったように喜んだのを憶えてる。 狂ったようにって書くと大げさだと思われるのは分かってるけど、その日付が問題で「夏休み前日」。 ただでさえテンション上がりまくってるときにそんな話題を聞いたから、普段そんなに親しくない友達まで呼んで、その日のうちに廃屋へ突撃って事になったんだ。 まさか... 続きを読む

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水道嫌い

中学3年の時、同じクラスになったNと言う女の子と仲良くなりました。 おっとりして優しくて、女の子らしい良い子でした。 普段は物腰柔らかく笑顔を絶やさないNでしたが、何故か水道を前にすると怯えた表情になり、口数も少なくなるのです。 水道から出る水と水道その物が苦手であって、飲み水やプールなどは大丈夫だったようです。 水道嫌いの理由を聞いても、何も教えてくれませんでした。 夏休み。 私とNは、当時所属していた茶道部の練習をしに、学校に来ていました。 練習と言っても、お手前をやったり、簡単なお茶会を開催するだけ... 続きを読む

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