この話は新耳の著者の一人、中山さんが本気の身の危険を感じて、十七年間活字化できなかった、っていう話です。 大学生の時、映画サークルの監督をやっていて、ロケ地探しに山に行ったと。 そこで、これまで気づかなかった、乗用車一台がぎりぎり通れるような狭い横道を発見する。 延々とその道を行くと台地に出てきた。そこには牧場らしきものがある。 しかし、人は誰もおらず、牛舎の鉄柵はピカピカで、排泄物を流す溝も藁一つ落ちていないことから、使われた様子がない。 牛舎の屋根を見上げると、半球形にへこんでいる。 トラクターは、車... 続きを読む

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