創作

【コラム】その怪談、実話?作り話?

今回は「創作怪談にまつわる3つの話」をしてみました。まぁこれには理由がありまして。怪談サイトを私も好きでよく覗くのですが、たまに「創作は除いています」と書かれているのを見ることがあるんです。もちろんサイト管理者さんには意図があって除いているのだと思うのですが。 私は怪談って創作も実話も証明のしようがないと思ってるので、私的には創作怪談(文芸怪談)ばっちこーいな立場です。怪談話で有名な稲川淳二さんもいくつかの怪談を組み合わせてお話を作り上げているとおっしゃってますし、組み合わせちゃったらそれはもう創... 続きを読む

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赤いクレヨン

もう15年以上前の話。初夏に差しかかり少し汗ばむような日、新婚夫婦が不動産屋さんと一緒に中古物件回りをしていた。静かな住宅街のなか、お目当ての一軒家を見た時、思わず妻の顔がほころんだ。 2階建ての小じんまりとしているけれども綺麗な家。庭にはハナミズキの木が植えられ、薄桃色の花を咲かせてうっすらと甘い香りが漂っている。大きくはないが小さな庭があり、手入れされていたであろう芝生が枯れずに青々としていた。 夫婦はひと目でこの家を気に入った。夫が中を見学しようと白塗りの門をくぐり、玄関の扉を開ける。... 続きを読む

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血染めの手

当時俺は高校生三年生だったと思う。その辺りはちょっと記憶があやふや。もう結構前だしな。 従姉妹は妹の一つ上だから5つ下、中学一年生か。もうちょっと上だったような気もするがそんなもんかもしれん。ちょっと説明が面倒なんだが俺が住んでたのは亡き祖父の家。 空き家にするのもなんだから俺と姉はそこから学校と職場に通ってた。つまりは親元を離れて二人暮し。元は爺ちゃんちなんで正月とか親戚が集まるのはその家なわけだ。 んで夏休み、というか盆付近にうちの家族が来る。妹と母親。兄は東京なんであんまり帰って... 続きを読む

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デジャブ

私には幼い頃からどうしても忘れられないある風景があります。 戦時中のような裸電球がともる部屋の中で、私は何か茶色の扉のような物を見つめている、外には誰かが居るらしく、開けようと近づくと一人の男が現れる、彼のきている縞模様の服の色だけが鮮明に眼に焼き付いています。その人は私の代わりにドアを開ける、記憶はここで途切れていて、どうしても続きが思い出せません。子供の頃のことなのか、どこかで経験したことなのか、両親に聞いても知らないと言うし、第一私達家族が今住んでいる東京の家にはそんな古風な部屋などありませ... 続きを読む

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