九州地方

オエビスサン

私の父方の祖父は今年で齢90近くになるが、今でも現役の漁師だ。年一度、盆に九州の祖父の家に遊びに行った時は、祖父と一緒に沖に出て釣りをするのが今でも恒例になっている。 私が小学5年の夏休みに、初めて祖父の家に遊びに行った時のこと。釣りをしようと祖父の舟で、二人だけで朝方の5時に港を出て、とっておきの漁場に向かう。数十分して漁場に着いたので舟のイカリを降ろし、仕掛けを作って海に竿をおろす。 早起きしたせいかうつらうつらと眠たくなってきた私は、祖父に「何か面白い話しをしてくれない?」とお願いした... 続きを読む

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やなり

少し長いです。 当方、九州の田舎出身。 で、その地域でよくある子供の脅し文句みたいに言われてた言葉が、 「夜に出歩くとやなりが通るよ」 「見つかる」とか「攫われる」とかじゃなくて、「通る」って表現が自分はとても不思議だった。 「やなり」というものについても近所の人たちに聞いたりしていたのだけれど、ほとんどわからないって感じで、人っていうか家によって「やなり」に対しての考え方も違った。 それ自体知らない家もあった。 悪いものだったり、良いもの(危害は加えない)だったり様々すぎて幼心に 『これ... 続きを読む

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仏間の後ろの開かずの間

父方実家が九州の山の奥です。 お墓を移すことになったので、ついでに母屋もつぶす話が決まりました。 叔母から、 「昔の本やマンガ(といっても昭和初期ですが)があるから、欲しかったら壊す前に取りにおいで」 と言われて、こないだの連休に車で行きました。 父も叔母に呼ばれて同行しました。 「祖父母が死んでからは、母屋に行くのは10年ぶりかなぁ」 と言いながら、私と両親と従兄で4人一緒に行きました。 母屋についたら、叔母が父に 「仏間の後ろに開かずの間があるー」 と言いました。 父は 「... 続きを読む

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ある漁村の風習

俺の親父の実家がある村の話だ。父親の実家、周囲を山にぐるっと囲まれた漁村(もう合併して村ではないけど)なんだ。元の起源は落ち延びた平家の人間たちが隠れ住んだ場所で、それがだんだん村になっていった感じ。 まぁそんなこと、村で一番の年寄りの爺さんがガキンチョに聞かせるだけで、ほとんどの人間は意識していない。若い子とかは知らない子のほうが多いくらいだ。俺の住んでいる市街(といってもすげー田舎)とそれほど距離があるってわけじゃないんだが地形の関係で周囲と孤立している。 今でこそ道路もきちんと整備され... 続きを読む

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海神様

部落ではないのだが排他的な地域で回りの地域から少し恐れられてる村の話だ。その村の奇妙印象と独自の宗教感を話す。 俺の母方の血筋はちょっと変なんだ。今から話す話は、恐怖体験したというより数年に渡って母方の血筋の実家に通った時に感じた奇妙な印象を書こうと思う。これは俺の祖母の母親の法事でその地域に行った時の印象。 そこは漁村で三方を山に囲まれた小さな集落。人口は200人ちょいぐらいだった思う。となり町まで車で20分ぐらいかかって、ちょうど陸の孤島の印象があった。 10歳、12歳、15歳の三... 続きを読む

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