ホテル

フィンランドの夜

こないだ親父が物置の整理をしててね。一日中漁ってたかと思ったら、夕方居間にガラクタの山を積み上げて昔を懐かしんでいた。古着やら、レコードやら陶人形やら。。。ふと一枚の写真が目についた。そこにはソファに座った若かりし頃の親父と若い白人女性が写っていた。親父は痩せていて、当時の流行りなのか中途半端に長い髪がおかしい。女の方はやや顎が弛んでいるが、まあ美人の範疇だ。写真について聞くと、大学3年の夏にヨーロッパを放浪した時のものだと話してくれた。「この子については未だによくわからないことがあるんだよ」親父は意味... 続きを読む

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ホテルの梵字

もう何年も前の体験だ。 確か青森県内だった。 出張で1泊するために安い宿を探して、適当に決めたホテルがあった。 そこは口コミもまぁひどくはなかったし、何より安かった。 俺のとこは宿泊代が定額で支給されていたから、少しでも安くして出張費を浮かせようとしたわけだ。 仕事を終えて夜になり、そのホテルに向かった。 古そうな4階建てくらいだったか、妙に細長い建物だった気がする。 安宿らしくロビーなんて狭くて乱雑に散らかってる。 安っぽい赤い絨毯からは異臭すらした。 呼び鈴で受付を呼ぶと年配の男... 続きを読む

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印刷屋のいたずら

私、ちょっと変わった印刷屋をやってまして、仕事でお札等を印刷することがよくあります。(普通の印刷もやっていますが)そのため、よく真っ新のお札を持ち歩いていたりするのですが時々ホテルに泊まったときなんかに、つい悪戯で絵の裏とかにこっそり貼ってしまったりすることがあります。泊まった部屋で絵をひっくり返してみて、妙に真新しいお札が貼ってあって、怖い思いした人はごめんなさいね。ほんの出来心です。そうした悪戯で、個人的に一番怖い思いをしたのは、近年、人気のある温泉観光地に行ったときのことですね。 ホテルから... 続きを読む

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隣がうるさい

とある用事で上京した時に、そのままストレートに帰るのもつまらんから、適当な所で一晩明かして、次の日に適当に買い物でもして帰ろうと思いつき、そこらにあったホテルへチェックイン。部屋に向かい、荷物をそこらに放かして就寝する事に。 ……だが、隣が五月蝿い。五月蝿すぎる。壁をドンドン叩くような音から子供の泣き声。挙句、生木を捻じるような音や喘ぎ声みたいなものまで聞こえてくる始末。 流石にこんなんじゃ寝れないぞって事でフロントに向かい、そこにいた従業員に「隣が五月蝿いので注意してくれ」と頼んだ。すると... 続きを読む

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