小学校の修学旅行でのことだった。我々は一路、目的地をめざしてバスに乗り込んだ。席も隣同士だった。 少しテンションの高すぎる彼に閉口しながらも、バスの旅は快調に進んで行った……。しかし、バスに乗って1時間が過ぎた頃には、安川君はさっきまでのテンションがウソだったかのように静かになり、何か神妙な顔つきになっていた。 「車酔いか?」私は聞いてみた。「うん、ちょっと酔ったみたい」「先生に言おうか?」「いや、大丈夫。言わんといて」「そうか、また気分悪くなったら言いや」「うん」まぁ彼が大丈夫だと言うのだ... 続きを読む
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