お邪魔します。 小学2年になって引っ越すまで住んでいた家について、いろいろと不思議な体験がある。 片田舎というほどでもなくそこそこ拓けた新興住宅地の片隅にある賃貸の平家だった。 一年中じめじめとした、いつも陰影をまとったような情景が思い浮かぶ。 背の高い土蔵のような隣家に挟まれ、庭にひしめくように植えてあるビワの木のせいで日中も陽が当たらない。 「もともとあそこは田んぼだった」 という母の言葉を後年聞いて、なるほどと思ったものだ。 床板や柱はどれも黒ずみ朽ちやすく、そしてどこからともなくカビのような臭いが... 続きを読む

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