集落

止めてはならない祭

何処かわかってしまいそうなので、方言などは省かせていただきます。 子供の頃の話です。 私が住んでいた山奥の村では、年に一度、奇妙な祭りがありました。 松明を持って、村の大人(男の人達)が山に入っていくだけの祭りです。 この祭りの日は、子供は外に出てはいけないことになっていました。 一度外に出ようとして、すごく怒られたのを覚えています。ばあちゃん曰く、「知らんでいい」だそうです。 私には、B君という幼馴染が居ました。(私をAとしておきます) B君とは、よく親と一緒に川に行って泳いだり、近所の山にいって野苺と... 続きを読む

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納涼祭

流れぶったぎって悪い。 怖くない話をさせてもらう。 俺が育った四国のとある村の話。 親の仕事で3年間住んだ村。 閉鎖的で且つ人口も少ないし集落と言っても過言ではないかも。 その状況下だからかわからんが斜視の人の割合は多かった。 多分限られた人口で繁栄してきたんだろうな。 血が濃いのだろう。 顔が体が手が今まで見てきた日本人とは少し違う。 そんな村。 毎年、盆の納涼祭で地元の神社で催し物をやるんだ。 これがちと異色で色んなお面をかぶった大人達が太鼓に合わせて踊る。 踊りとゆうよりは太極拳みたいなゆっくりとし... 続きを読む

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集落

もう20年以上前、少年時代の話である。 俺は名は寅、友達は雄二と弘樹と仮名をつけておく。 あれは小学校六年生の夏休み。 俺達は近所の公園で毎日のように集まり、遊んでいた。 夕焼け空が真っ赤に染まりだした頃 「そろそろ帰ろうか」 と弘樹が言い出す。 片親で家に帰っても一人ぼっちの雄二は、もう少し遊ぼうやと俺達2人を引き止める。 門限に厳しい弘樹は 「ごめんな、また明日遊ぼうや!」 と言い帰って行く。 弘樹の姿が見えなくなると、決まって雄二は 「あいつ毎回付き合い悪いのー」 と愚痴りだす。 すっかり暗くなった... 続きを読む

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かなめさま

長くなるがどうか聞いて欲しい。 俺がむかし住んでいた場所はド田舎で、町という名前は付いていたが山間の村落みたいなところだった。 家の裏手の方に山道があり、そこに「かなめさま」のお堂があった。 もともとは道祖神だったらしいが隣町への道路が整備されてから山道自体が使われなくなり通る人も絶えて寂れてしまった。 かわりにというか、いつ頃からか「かなめさま」に身をしのんで人に言えないような悩みを打ち明け、願をかける慣習ができた。 そんな成り立ちも今にして思うだけで、俺がガキの頃はとにかく「かなめさま」はタブーで、昼... 続きを読む

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村の奥に

俺の実家は超田舎だ。 わずか十世帯ほどしかない小さな村で、いわゆる限界集落と呼ばれるような場所。 オカルト板の連中がもし訪れたら絶対よからぬ妄想をすると思う。 けど実際は普通にインフラ設備もされてるし、住人も普通の年寄りばっかりだ。 よく都会の人は「田舎は人間関係がおかしい」と言うけど、別におかしいところなんてない。 ただ一つだけ気がかりなのが、年寄りが全員創価学会だ。 もちろん俺は違うし親世代も違う。 俺が一度祖母の真似で「南無妙法連華経~」と言ったらものすごい剣幕で母親から叱られた。 小さい頃は創価な... 続きを読む

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