物・道具にまつわる怪異

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でんわ

高校に入学して直ぐに、クラス内のちょっとしたトラブルに巻き込まれ不登校になった。 昼間は家で、テレビを見たりゲームをしたり年の離れた弟の面倒を見て、夜は近所の公園に行ってスケボーをしたり、友達の家に遊びに行ったりしていた。 ある時、いつものように弟と二人で飯を食いながらタモリを見ていた。 母親は確か病院とかで、家には弟と二人きりだった。 飯を食い終わりボーっと小堺を見ていると、弟が突然 「あ、でんわ。でんわしなきゃ」 と言い出した。 その当時弟は4歳。 「え? どこに? 誰に?」 と聞くが、 「でんわ、で... 続きを読む

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骨董蒐集

自分の親父と骨董の話を書きます。 親父は紡績の工場を経営していましたが、何を思ったか50歳のときにすっぱりとやめてしまい経営権から何から一切を売り払ってしまいました。 これは当時で十億近い金になり、親父は 「生活には孫の代まで困らんから、これから好きなことをやらせてもらう」 と言い出しました。 しかしそれまで仕事一筋だった父ですから、急に趣味に生きようと思っても、これといってやりたいことも見つからず途方に暮れた感じでした。 あれこれ手を出しても長続きせず、最後に残ったのが骨董品の蒐集でした。 最初は小さな... 続きを読む

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連続する夢

中学の自習時間に先生がしてくれた実体験談?です。 先生から聞いただけの話だけど、臨場感を出すため語り手を先生(俺)として書きました。 十年くらい前、俺がまだ大学生だった時の話。 同じサークルでよくつるんでた友達が二人いた。名前はKとH。 俺とHは学生寮に住んでいて、Kだけが安アパートで独り暮らしだった。 どいつも親は別に金持ちじゃないから仕送りも衣食住でかつかつ程度だったし、大学は最後の自由時間って感じで、講義もそこそこにバイトしては遊ぶ毎日だったよ。 彼女もいない野郎三人。 つるんでゲーセンやカラオケ行... 続きを読む

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手鏡

実家が葬儀用具の卸売をやってた。 親父が確か4代目だか3代目。 俺は長男で跡継ぎだったんだけど経営が傾いていたことと、俺自身そんなに継ぐつもりもなかったので親父が脳溢血で死にかけたのを機に会社を畳んだんだ。 寺とか神社とか、葬儀会社とかの直接な仕事じゃないとはいえ、やっぱり人の死で稼ぐ商売、心霊的な話はチラホラ親父から聞かされてきたし、たまーに俺も体験することがあったんだけど。 その中で一番ヤバイ話。 会社を畳むことが決まって、家族で色々と片づけてた時だ。 事務所は親父の生家(随分前から住んではいないけど... 続きを読む

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写真立て

俺が大学時代の20年以上前の話。 友達がワンボックスの車を買ってもらったからって、仲の良い女の子達も誘って、紅葉狩りに行ったんだ。 山奥で湖があって山道を歩くようなところなんだけど、結構有名なとこだったみたいで、丸太で階段とか手すりが作ってあって整備されてて歩きやすいし、気温も丁度良くて本当に気持ちよかった。 しばらく歩くと黄色と黒のロープが厳重に張られてて通行止めになってるところがあった。 コース的にそっちにも行けてしまうけど、こっちに来ちゃだめですよーって物理的に行けないように止めてあるんだけど、ロー... 続きを読む

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