蝉がうるさく鳴き風鈴が心地よく鳴る、中学三年の夏休み。周りは受験勉強だの家族旅行だので遊ぶ友達もいなかった僕は、何もせずまったりと家でかき氷を食べてました。両親は仕事で、家は僕とおばぁちゃんだけです。 僕はふと庭を見ると、おばぁちゃんが松の木の下でイスに座り心地よく風にあたっていました。たまにはおばぁちゃんと話をしようと、僕もイスを持ち出し隣に座り「ねぇ、ばぁちゃん。昔話かなんかない?」と言いました。 おばぁちゃんはニッコリ笑って、「こんな老いぼれの話なんか聞いても楽しくないわよ(笑)」と言... 続きを読む
幽霊や怨霊にまつわる怪異
... 続きを読む
はなすな
今まで怖くて誰にも話せませんでしたが、ようやく踏ん切りがついたので話そうと思います。これは私の実体験です。 小学5年生の冬のこと。私は当時、生徒会の副会長を務めていました。しかし所詮は小学生の生徒会。言ってみれば先生の雑用係のようなものです。 その日は雨が降っていました。じゃんけんに負けた私は、一人生徒会室で雑用をしていました。単調な作業にうんざりしながら気がつくと時刻は午後6時。生徒会担当の先生が教室に入ってきて、もう遅いから今日はこの辺で帰るようにと言われました。 雑用から解放され... 続きを読む
怖い夢を自在に見る方法
10年以上昔の、進研ゼミの読者投稿欄にあった話。 『怖い夢を自在に見る方法』というタイトルが目に止まった。『その方法とは、怖い夢を見たいと念じながら枕を踏んで寝るだけ。踏む回数によって怖い話のレベルが決まります。1、2回なら遊園地のお化け屋敷くらいですが、7回を超えたあたりから本当に怖くなります。最大レベルは10です』という内容だった。 ちょうど寝る前だったし簡単に実行できるとあって俺は枕を踏み始めた。いきなり最大レベルを見てしまうのもつまらないと思い、9回で止めて寝ることにした。 そ... 続きを読む
E島海岸
俺は毎年7月の下旬頃、平日に有給休暇をとり湘南に海水浴に行っている。それも一人で。土日は人多いし、彼女とか友達とかいっしょもいいけど、一人のほうが一日砂浜に寝そべってビール飲んで、日ごろの雑多なこと忘れることができる。だから毎年、自分の恒例行事にしている。 ビール飲むんで電車を使う。E電を降りてE海岸に行くまでの一本道に、多くの食堂やショップが並んでいる。その中の一軒の食堂に、俺は遅い朝飯をとるため入った。平日とは言え、学校は夏休みに入っているため結構込んでいた。 隣の席は、母と娘の親子連れ... 続きを読む
スタジオ
5~6年前の初夏の頃の事です。駆け出しのアレンジャーがいました。仮に名前をAとします。Aはその日、都内の某スタジオでレコーディングをしていました。そのスタジオは1階がロビー、受付、守衛室、駐車場。2階はA~Cスタジオという風に3つのブースに分かれていてその日は2階のBスタでの作業となっていました。アーティストとその関係者は既に帰った後でBスタジオにはAとエンジニア、そしてアシスタントの3名のみです。 時間は深夜3:00を過ぎようとしていました。コーヒーの飲み過ぎか腹の具合が悪くなったAは作業を中断... 続きを読む
最近のコメント