それは私が地方のローカル私鉄で運転士をしていた頃の話です。 季節は晩秋の……空には星も月も無く、風も無い暗い晩のことでした。 時刻は終電間際、この乗務が終われば本日の勤務も無事終了。 ひとつひとつ小駅を拾うように、列車は山間の単線を走っています。 とある無人駅を過ぎ次の駅も無人駅、ここで車掌が運転台に来ます。 次の駅は改札口が前寄りにあるので、集札に備えての何時もの慣習。 後輩の車掌と、遮光幕の下りた暗い乗務員室で軽い雑談を交わします。 山合いを抜け田園地帯、前照灯が直線のレールを照らしていました。 進行... 続きを読む
幽霊や怨霊にまつわる怪異
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行ってはいけない祭
言葉にするとたいしたことないが、体験するとじわじわとくる話をひとつ。 うちのまわりはすごい静かな住宅街で、最近引っ越してきたんだよね。 うちは線路沿いに建ってるから、電車が通る音とかも聞こえるくらい静か。 昼間は道路で遊ぶ近所の子の声とか丸聞こえだけどね。 んで、俺両親と姉貴と弟と一緒に住んでるんだけど、家族で姉貴の買い物に付き合ったとき弟と俺はパスした。 姉貴買い物長い。 弟も小さかったし。 まぁ、それはおいといて、弟がいきなり 「ねえ、なんかお祭りやってるの?」 とか言い出した。 はぁ? とか思いなが... 続きを読む
湿気の多い事故物件
久々に東京に戻って一人暮しを始めた時のこと。 私は東京の家賃、敷金、礼金の高さにあきれ果てました。 おまけにその頃は無職で、都内の横柄な不動産屋は相手にもしてくれないのでした。 そんなとき見つけたのが、半年前に人が死んでからずっと空いている物件。 ふつうのアパートの一階でしたが、家賃を安くしてくれ、敷金、礼金は1ヶ月づつでいい、と言われました。 それでも高いと思いましたが、自殺ではなく自然死ということでしたし、こちらも不動産屋めぐりでうんざりしていたので、妥協しました。 友人達は猛反対でしたが。 住んでみ... 続きを読む
人形が動く
これは七つ下の弟がやっとまともな話ができるようになった幼い頃のこと。 当時、母と弟が寝る部屋には、亡くなった祖母の作った日本人形が男女一体ずつ飾ってありました。 ある日、母、病気で学校を休んでたおれ、弟の三人でお昼のオカルト番組『あなたの知らない世界』を見ておりました。 そのあらすじは、 『娘がゴミ捨て場で人形を拾ってきたところ、家族に反対され、元のゴミ捨て場に戻しに行きました。 しかし、いつのまにか、人形が家に戻ってきていました。 気味悪くなった娘は、されに遠いところに人形を捨てに行きました。 その後、... 続きを読む
そうぶんぜ
小学校んときの話。 会話文は雰囲気出すために方言で行くわ。 俺は地元が東北なんだけど、俺の小学校は俺が在学中ミニバスが結構強くて、土日も長期休みも練習&練習試合&合宿ばっかだったのね。 ある夏休みの日、近隣の学校と合同合宿があって、隣町のセミナーハウスに泊まることになった。 で、現地着いて俺らぼーぜん。 「なにこのきったないセミナーハウス……」 ってのが全員一致の意見。 木造造りの家が点在してて、ぼろいスーパーが1軒あるぐらいでコンビニもなし、後は山だらけ。 俺らの学区よりさらに田舎。 セミナーハウスの後... 続きを読む
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