もう15年以上前の話。初夏に差しかかり少し汗ばむような日、新婚夫婦が不動産屋さんと一緒に中古物件回りをしていた。静かな住宅街のなか、お目当ての一軒家を見た時、思わず妻の顔がほころんだ。 2階建ての小じんまりとしているけれども綺麗な家。庭にはハナミズキの木が植えられ、薄桃色の花を咲かせてうっすらと甘い香りが漂っている。大きくはないが小さな庭があり、手入れされていたであろう芝生が枯れずに青々としていた。 夫婦はひと目でこの家を気に入った。夫が中を見学しようと白塗りの門をくぐり、玄関の扉を開ける。... 続きを読む
家や家系にまつわる怪異
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海神様
部落ではないのだが排他的な地域で回りの地域から少し恐れられてる村の話だ。その村の奇妙印象と独自の宗教感を話す。 俺の母方の血筋はちょっと変なんだ。今から話す話は、恐怖体験したというより数年に渡って母方の血筋の実家に通った時に感じた奇妙な印象を書こうと思う。これは俺の祖母の母親の法事でその地域に行った時の印象。 そこは漁村で三方を山に囲まれた小さな集落。人口は200人ちょいぐらいだった思う。となり町まで車で20分ぐらいかかって、ちょうど陸の孤島の印象があった。 10歳、12歳、15歳の三... 続きを読む
八尺様
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗るようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。 でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。 春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバ... 続きを読む
ヒトツサマ
えっと前スレでヒトツサマについて質問した者です。 詳しくはわからなかったのですが一応得られた情報だけ報告します。 >>497 一目連の類かなあ? おそらく屋敷神のたぐいではないかと思われますが、 九州の大分地方であれば「コイチロウ(小一郎)ガミ」というものがあり、お婆さまがそれを「ひとつさま」と表したという可能性もあるかもしれません。 尸童(よりまし) 依坐とも書く。神霊が童子によりついた場合をいう。 神霊が樹木や石などによりついたときには依代という。 神霊ではなく死霊がついた場合は尸者... 続きを読む
憑き護
流れぶった切って悪いけど俺が子供の頃に体験した話だ。 あれは忘れもしない小学五年の夏休み前のことだ。 古い学校でな、創立88年って位のボロボロの学校だったんだ。 一応、改築やらなんやらで生徒の手の届くような場所はコンクリートで塗り固められていたが天井付近や天井は木造だった。 今思うと変な感じだったよ。 んで、これまた年代物なプールがあるんだが事件はそこで起こった。 いや、もう起こってたんだ。 今思えば始めに起きてたのが、プールで泳いだりなんだりとしていると足を捕まれる人が何人か出たんだ。 ... 続きを読む
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