俺がまだ親父の玉袋の中で三億人の兄弟と暮らしてた頃、親父は山仲間2人と秋山登山を楽しんでいた。連休で天気も良好、のんびりと『山男の歌』とか歌いながら順調に登ったらしい。だけど、昼も過ぎたあたりから急にガスってきた。そのまま『乙女心と山の空』というように、あっという間に雨が降ってきたのだ。 まあ自称ベテランの親父たちは、ガスった辺りからヤッケを着てたので問題は無かったのだが、そのままのペースで歩けば、あと二時間程で宿泊予定の山小屋に着くという時に、仲間の一人(仮に樋口さんとする)が、「……さみぃ」と... 続きを読む
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