爺ちゃんは当時すごい田舎の山村に住んでて、村にはあまり評判のよくない医者が一軒しかなかった。 それで爺ちゃんの知り合いの年配の男性が盲腸になって、しかたなくその医者に手術してもらったんだけど、膿の処置が悪かったとかで腹膜炎を起こしてしまったんだ。 これは市の病院に運んで腸を出して洗うしかない、ということになったが、真冬で豪雪地帯なのでバスは動かないし、鉄道は最初からない。 けれど運のいいことに、たまたま村に陸軍の部隊が駐屯していて、事情を話したら馬そりにのせて市まで運んでもらえることになった。 それで鎮痛... 続きを読む
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