その日、僕は友人Sの運転する車に乗って、県境の山奥にあるという廃村に向かっていた。 メンバーは三人で、いつも通り。 運転手がSで助手席に僕。 もう一人、後部座席を占領しているのがKだ。 僕らが街を出たのは午前十時頃で、途中で昼食休憩をはさみ今は二時過ぎ。 目的の廃村までは、あと一時間といったところだった。 車は現在、川沿いのなだらかな上り坂を、ゆったりとしたペースで上っている。 僕は開いていた地図に再び目を落とす。 これから行く廃村はもはや地図に載っておらず、赤ペンでぐりぐりと印がつけられている場所が僕ら... 続きを読む

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