俺がまだ親父の玉袋の中で三億人の兄弟と暮らしてた頃、親父は山仲間2人と秋山登山を楽しんでいた。連休で天気も良好、のんびりと『山男の歌』とか歌いながら順調に登ったらしい。だけど、昼も過ぎたあたりから急にガスってきた。そのまま『乙女心と山の空』というように、あっという間に雨が降ってきたのだ。 まあ自称ベテランの親父たちは、ガスった辺りからヤッケを着てたので問題は無かったのだが、そのままのペースで歩けば、あと二時間程で宿泊予定の山小屋に着くという時に、仲間の一人(仮に樋口さんとする)が、「……さみぃ」と... 続きを読む
小屋
監視小屋
私の通っていた高校は、築120年という気合の入りようでした。改築が繰り返された校舎は、素人目に見ても奇妙としか言いようの無い形に湾曲しています。今では珍しくなった平屋であるにも関わらず階段があり、廊下のどん詰まりの壁際から天井に向かって伸びています。そのほかにも、玄関を入ってすぐにある音楽室や、ドアが埋め込まれて立ち入れなくなった教室。(外から見るとベニヤ板で物々しく目張りされています)その中でも奇妙極まりないのは、『監視小屋』なるものがあるということです。 私は遠方から通っていた為、時々地元の友... 続きを読む
竹林の小屋
小学校の頃の話です。おいらが行ってた小学校の側に竹林があって、「そこには怪しい人が出るから行っちゃ駄目です」って言われてたのね。俺は結局行かずじまいやったんやけど結構周りは行ってる人が多くて、みんな「変な小屋があって浮浪者が住んでる」とか「小屋があって扉がどうしても開かない」とか、まあ要は「木造の古い小屋が一つぽつんとある」って、みんな共通して言ってました。何時の間にかその小屋に行ったという事実は『勇気のある奴』のステータスみたいな感じになって悪ガキ連中はみんな行こうとしてた記憶があるっす。 んで... 続きを読む
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