『いわて怪談奇談珍談』という、岩手の地元紙・岩手日報が編纂した文芸書がある。
この本は岩手日報に寄せられた怪談・奇談を一冊の本にまとめたもので、その大半は如何にも民俗学の故郷である岩手らしく、人魂を見ただの狐狸妖怪に化かされただのという、ごくごく牧歌的な話なのだが、その中に少し異様な話があったので紹介。
その話の体験者(女)は、以前インドネシアのジャカルタに、夫と共に住んでいたことがあったそうだ。
夜も摂氏27度を超える熱帯夜。
防犯対策のため鉄格子がはめられた窓の外には、薄ぼんやりとした電灯が光っていた... 続きを読む
4~5年ほど前に、取引先の人から聞いた話。
その人が言うに、もうだいぶ前の出来事とのことだから、少なくとも10年以上前のことと思われる。
インドネシアにA氏(話してくれた人)、B氏、C氏の3人で仕事に行った。
仕事といっても、半分は遊びを兼ねたような旅行だったらしい。
そんなわけなので、仕事が終わってから10日近い暇ができ、最初の2~3日はのんびりと観光を楽しんでいた。
3人とも現地は初めてではないので、なんとなく退屈さを感じていたところ、B氏が
「ラフレシアを見てみないか?」
と言い出した。
ジャングル... 続きを読む
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