アクマの子

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8年ぶりくらいに2ちゃん見るのだけど色々変わってるんだね・・・改めてJ/vgdWbU0です。

それはおじいがまだ子供の頃の話、逆算すると大体主戦直後くらいかな。
場所も言ってしまうが沖縄は宮古諸島の伊良部島という小さな島。
その当時はおもちゃなんて物はもちろん無くて、サザエの蓋やら米軍が落とした爆弾の破片やらを遊び道具にして海やら森やらで遊び回っていたそうな。
小さな島なので遊び場は少なく、やがて行動範囲は大人たちが行くなと念押す森の奥にまでなっていった。
その日も友達数人と一緒にサトウキビを咥えながら森の中を探検していた。
すると大将格の一人が
「なんか声が聞こえる」
と言い出した。
よく耳を澄ますと確かに、どこか遠くで何かが鳴いている。
奇妙に思いながらも皆、声の方向へ一直線に進んで行った。
だいぶ声が近くなって来た所で先頭を歩いていたガキ大将が急に立ち止まった。
その視線の向こうには、何かこんもりとしたモノ。
探検隊は慎重な足取りでそれに近づいていった。
「ィィィイイイ! ィィィイイイ!」
不気味な声で泣きわめくそれは、よく見ると赤ん坊だった。
それも血塗れで、頭が大きくひしゃげ、真っ赤な目玉が両方とも飛び出していたそうだ。
その上、その赤子の周囲には沢山の蟹やオカヤドカリが屯し、赤子の肉や皮をついばみ、引っ張っている。
その異常な光景にしばし言葉を失くして立ちすくんでいたが、やがてガキ大将を先頭に森の出口に向かって一斉に走りだし、転がるようにしてやっと家についた。
その時の誰一人としてその出来事について親に話したりはしなかったそうだ。

昔の沖縄は火葬ではなく風葬が行われていた。
お墓の中に死体をそのまま置くのだ。
だが生後10日以内の早死の子は魂のアクマの子とされて、そのまま森や洞窟に捨てられてしまう。
アクマの子の魂がまた戻って来ないように、次はまともに生まれ変わるようにと、そういった思いが込められているのだそうな。

985 J/vgdWbU0 2012/06/28(木) 19:04:05.58 ID:7MSVCNFr0

沖縄では、生まれてすぐに死んだり、流産した新生児のことを「アクマガマ」と呼んでおり、かつてこういった赤ん坊は「人間として生まれるべきものが悪い目に会って死に、あなたはもうアクマだから世の中には出てこないで、今度生まれ変わって出てくる時には、りっぱな人間になって出てきなさい」(『沖縄事始め』より)といわれて捨てられていた。
伊良部島では、昔は生まれてから十日満(トゥカンテ)までに死んだ子は、ぼろやムシロに包んでアクマステと呼ばれるウホガー(大きな洞窟)に投げ捨てていたという。
池間島では、生後2週間くらい(十日満か?)までに死んだ子はアクマと呼ばれ、親戚の男たちが斧や包丁などを使ってずたずたに切り、「二度とこんな形で生まれてくるな」といって北岸の洞窟に捨てたり、東の浜に埋めたりしていた。
また宮古島でも、生後間もなく死んだ子供はアクマと呼ばれて海岸に埋められていた。
ここで誤解しないようにしておきたいのは、「アクマ」は悪魔という意味ではないということだ。
アクマとは、生まれてすぐ死んでしまって残念という意味があり、「ガマ」には「かわいそう」ということを意味する。
新生児が産後間もなく死んでしまうことが珍しくなかった時代、十日満以前の子供はまだ人間以前の状態であると考えられており、アクマを大人の死者と同じように手厚く葬ってしまうとその霊が再び母親のお腹に身籠り、葬式をしているところに出くわした人にはアクマガマが乗り移って将来アクマガマを産むと信じられ、恐れられていたのだ。
十日満を無事に過ぎた翌朝には晴れて人間として認知され、太陽を拝んで名前が付けられていたというし、池間島では十日満を過ぎてから死んだ子は大人と同じようにきちんと葬式をして祖先と同じ墓に葬られていたそうである。
しかし、こうした「人間としての認知」をされる年齢には、やはり地域によってばらつきがある。
名護市では7歳になる前に死んだ子の亡骸は籠に入れて木に架けておいたそうだし、津堅島では死産したり、生後一ヶ月育たなかった赤子は、子供だけが葬られるチニン墓に葬られていた。
しかし、チニン墓に葬る場合、「捨てる」という言葉で表現されていたそうであるから、やはり乳幼児の死は恐ろしい災いが起きる素だと考えられていたのだろう。
3KAZU徒然ホームページ 琉球レポート

宮古島風葬.jpg
風葬の様子です。
日本では沖縄をはじめとする南西諸島に広がっていました。
天然の洞窟や墓地の叢林などの中になきがらを置いて風化するに任せ、法事をしたり、仏壇や位牌をつくるといったようなことをしないやり方です。
伊良部日記 昔懐かしい宮古の風景シリーズ⑧

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